(菊、華は好きか?)
(我は華はよくわからぬ)



「菊、」

庭に立ち、廊下を歩く私を呼び止めるのは大好きな旦那様
なんでしょう?と身を屈め首を傾げれば、すっと何かが髪に触れる

「よく、似合っている」

小さく小さく、ほんのちょっとだけ笑ってそう言ってくださるこの方が、やはり私にはすごく素敵だと思うのです
髪に飾り付けられたのは小さくとも明るい色をした華らしく、よくわからないと言いつつもきちんと説明をしてくださいました

「庭を、歩いてみぬか?」

そう言って差し出された手に、突然のことに少々戸惑いながらもゆっくりと自分の手を重ねる
体温が低い旦那様の手も、これはこれで心地良くて私はとても好きなのです


もし叶うのなら

旦那様のこの手をもう汚さなくて済みますように









願わくは綺麗なままで



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