つばさ+こまち






在来線の影響を直に受ける。これはミニ新幹線として在来特急区間を走る身としては仕方のないことだ。

「あれ、つばさ君遅延出してるの?」
「…こまちか」
「本当は前走ってるはずだよね、どうしたの?」
「奥羽本線内での安全確認の影響だよ」

豪雪地域だから大雪による影響も少なくない。本来ならはやて君と一緒に走るのだけれど、今日は訳あって一人。
(雪の中を走るはやて君は、格好良いんだよね…)

「はやてはどうした?いつも一緒だろ」
「今日は車両点検入っちゃって一人なの」
「じゃあお前も遅延か」
「そうなんだよね」

車両点検と言っても自分ではなく在来線の話なのだけれど、結局遅延を出していることに変わりはない。
在来線が遅れを出せば、駅に入ることの出来ない他の車両はどこかで時間調整の為に一定時間の停車をやむなくされる。それはミニ新幹線も同じ。

「揺れが激しくなっちゃうからあまり速度上げることも出来ないし」
「それにこの雪なら巻き上げもかなりだろ」
「怪我だけはするな、って言われてるしね」

それこそ怪我でもしたら上官にもはやて君にも怒られてしまう。だって私たちに代わりなどいないのだから。
下の代わりに上が走る。でも、下は上の代わりにはなれない。




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