三田+南北





これの続きっぽいの






「みーたんっ!」
「てめぇ、殴られたいか?」

白金台でいつも通りのやり取りを繰り返し、一息ついた所で飾り気の無いコンビニのレジ袋を差し出す。

「三田に特別プレゼント、受け取らせてあげるよ」
「はぁ?」

意味がわからねぇ、とか何とか言いつつも僕のプレゼントを三田は断らない。いつだってそう、何だかんだ文句を言いながら受け取ってはくれるのだ。
ちらりと袋を覗き込めば、中身が袋とずいぶん違うものであることがわかったらしく、一瞬動きが止まった。

「…お前これ、」
「銀座に貰ったの、食べきれないからあげる」

一粒で何百円、箱で買えば何千円もするようなチョコレートを数個。それと作りも箱も美しい和三盆を少し。
銀座もどこだかのお偉いさんから貰ったと言っていたから、実際の所いくらなのかは知らない。ただ傍目から見ても高級だな、ということは伝わる。

「タダで受け取らせてやるんだから光栄に思いなよ」
「その減らず口が無ければもっと良かったな」
「うるさいなー、要らないなら大江戸にあげるからいいよ!」
「わーった!わかったようるせぇな!」

とりあえず三田が事務所のデスクに袋をしまい込んだ所を確認して、僕はまだ終わってなかったメールのチェックに手を付ける。
それを始めて五分も立たなかった頃だろうか、僕の携帯と三田の携帯が同時に着信を告げた。

「あ、目黒からだ」
「『信号トラブルが発生したので目黒駅に来て下さい』…だ?」
「はあぁぁぁ!?これから夕方の帰宅ラッシュなのに目黒何やってんの!?」

「とにかく隣行くしかねーだろ」
「うえー…今度何か奢ってもらお」

いつの間にか目の前にあった三田の背中をドンと押して、仕方なく目黒駅へ向かった。




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