やまびこ+つばさ+こまち





※あおばが居て、はやてが生まれる前の話
※E3系併結相手をE2系固定前
※かなり話が唐突






恋ではなかったけれど、ただ私も見て欲しかったの。
あの黄色い瞳に映る世界に、少しだけ存在したかったの。





「やまびこはどっちがいい?」
「そうだなぁ、」

(知ってるの私、やまびこさんは絶対に私を選ばないって)

「つばさと同じかな」

(ほら、言った通りじゃない)



秋田新幹線として生まれ、盛岡まで共に走る相方は彼と言われた。
先に生まれたミニ新幹線のつばさ君の相方であるやまびこさん。私はE3系、つばさ君は400系。形式が違うから走り難そうで、私は自分が嫌いだった。

そして新入りの私でもすぐわかる、やまびこさんにとってつばさ君が特別なんだってことぐらい。

「こまち?大丈夫か?」
「え、うん…大丈夫」
「無理してないか?」
「ご飯も食べてるし、ちゃんと寝てるし、元気よ」

上手く笑えていたのか不安だったけれど、何とかその場は切り抜けられたみたいだった。

つばさ君ももちろん好き。でもね、時々思うの。
(つばさ君にはあおばさんも居るじゃない)
醜い女の、浅はかな嫉妬ね。そう思って自嘲するのは何度目かしら。

やまびこさんの袖をぎゅうと握れば、優しく頭を撫でてくれた。





(私はいつ、誰の世界に存在出来るの?)




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