はやて+はやぶさ







「はやぶさ、ありがとう」
「…どう、いたしまして?」

突然のことに首を傾げるはやぶさを、思わず抱きしめた。E5系の彼の方が、少し大きい。

東北の末っ子として生まれ、それでも保有区間の全てを走破する要として全力を注いで生きてきた。
時に無理をして、時に吐き出しそうになった弱音を飲み込んで、必死だった。

「僕はもう、一人じゃないんだね」

相方のこまちちゃんも、東北の仲間も居る。だけど盛岡から先は一人ぼっち。新入りにしていきなり要となり走らされるのは、想像以上のプレッシャーで何度挫けそうになっただろう。
でもそれももう終わり。僕に大事な大事な、後輩が出来たから。


「そうだよはやて、俺が居るよ」

「だから、」





「泣かないで」

そう言われてやっと、自分が泣いていることに気付いた。
はやぶさが戸惑いがちにそっと頭を撫でてくれるのが心地良くて、しばらく彼を離してあげられなかった。



(ありがとう、ありがとうはやぶさ)
(これからは君と二人、新青森まで走れるんだ)
(僕に君をくれた、奇跡に感謝を)




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