たにがわ+とき
※相変わらず捏造
※これの続きっぽい話
「…痛い」
赤くなってしまった腕を擦り、大して意味も無いのに息を吹きかけてみる。何事も大袈裟なんだあいつは。
「冷やすものこれでいいかな?」
「ううう…ときちゃんサンクス」
「相変わらずやまびこは手加減無しだね」
200系で轢かれた腕は痛いが、Maxでどつかれた身体も正直痛い。つばさが関わるとやまびこは途端に手加減しなくなるから怖い怖い。
一応やり返してはみるのだけれど、何故か昔から自分が先に折れてしまう。
「昔から何様俺様やまびこ様、だからなぁ」
「最初はそんなことなかったんだけどね」
ときちゃんは開業当初のやまびこを知ってる。自分も知らなくはないのだ、昔のやまびこを。
彼が変わったきっかけはそう、開業当初から、下手をすればそれより前から隣にいた相方を失ったからだ。今の相方はつばさ、だから余計に必死なんだろう。
「それにしてもMaxでわざとオーバーランはやりすぎじゃない?」
「たにがわ君、つばさ君に何かしたんじゃないの?」
頭をフル回転し思い出してみても、自分にしたら日常会話しかしていない。果たして何がやまびこのラインを越したのか、彼のハードルが低すぎて予想も出来やしない。
もしかしたらやまびこは、俺とつばさが僅かに接触するだけでも簡単に機嫌を損ねてしまいそうだ。いや、絶対そうだろう。
「はぁ…アンダスタンド出来るけど、あいつつばさのこと過保護すぎるだろ」
「それだけ大事なんだよ」
「…うぅー…もう今日はときちゃんとデリシャスなもの食べに行く!」
「それなら海鮮がいいなぁ」
「そうと決めたら行こう!」
「うん」
考えれば考えるほどやまびこに対してイライラしてくるから、とにかく今はときちゃんの手を取って走り出した。
新潟まで行って、この前見つけた美味しい海鮮丼を二人で食べに行こう。