やまびこ+つばさ





※このコンビは大袈裟なくらいが丁度良い






「やまびこ、待てよ」

ひょこひょこと後ろをついて歩く、雛鳥のようなつばさ。小さくて可愛い、ミニ新幹線。
歩幅が合わないからきっと俺の一歩は彼の二歩。少し小走りでやっと俺に追い付く。

「何か用?」
「お前福島に忘れ物しただろ」

何を言うのかと思えば意味がわからない、大体俺が仕事の途中で忘れ物なんてするはず無いだろうが。
でもぎゅうと袖口を掴まれ真剣にそんなことを言われたら、もうそれに答えてやるしかないだろう。これがたにがわだったらMaxでどついてやる所だ。

「してないけど」
「は?だってたにがわが…」

と思った瞬間からこれだ。
嫌な予感がしたから指でつばさの口を押さえてしまう。イラッとした名前が出たけれど、目を丸くしたつばさが可愛いから許す。

「あいつが何か言ってた?」
「朝持ってた手荷物帰りには無くなってたから福島辺りに忘れてない?とか」

一応ゆっくりと記憶を呼び起こす。
確かに朝東京を出る時は何かを持っていた。でもそれは、それは、


「…それ、つばさにあげた萩の月だよ」
「じゃあ忘れ物じゃないのか」
「当たり前だろ」

小さく一息ついて、寄り掛かるつばさを支えふわふわの頭を撫でる。俺のことばっかり考えるつばさは、もっと自分のことも考えたらいいのに。

「たにがわの言うこと信じるつばさは馬鹿みたい、俺がそんなことするわけないじゃん」
「うるせー」

後でたにがわは5発ぐらいMaxでどついておこう。もし必要なら200も使おう。

今はほら、福島までの短い旅をしようじゃないか。




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