一番星*流れ星(BS六期)


※いろいろと捏造



「キリガってさ、触ったら壊れそう」
時々、ふとそんなことを考えるのだ。流れ星は掴めるのだろうか、と。
自分のものに比べたら随分と色の薄い髪にゆっくりと手を伸ばし触れる。癖があるけれどさらさらと指の間を滑るその髪が、好き。
「俺は、そんなに柔じゃない」
「知ってるさ」
壊れ物みたいに扱うと少しだけ不機嫌そうに表情を歪めるのも、好き。
俺が手を離したらちょっとだけ名残惜しそうに目を細めるのも、好き。
でも無理しすぎて一人で全部抱えようとする所は、ちょっと嫌い。もっと頼ってくれればいいのに。
けれど結局はあれもこれも好き。好きで好きで、ほんの僅かな嫌いを挟んででもやっぱりそんな嫌いな部分も含めて好き。好きがいっぱいで他に何という言葉がぴったり合うのかわからない。抑え切れない感情が拙い言葉となって溢れだす。
「キリガ、好き。すっげぇ好き」
「聞き飽きたな」
だから何度でも何度でも似通った台詞繰り返す。ふとした時に俺の声を、言葉を、こいつが思い出すように。無意識という意識にじわじわと刻み付ける。
「だって好きだから仕方な、」
そこに訪れる突然の不意打ち。それは時に恐ろしく、時に酷く甘いものになる。
重なった唇が続くはずだった言葉を飲み込ませ、そして離れると同時に綺麗な弧を描く。目を丸くする俺に対し、してやったりと楽しそうに笑うキリガはやっぱり好き。
「こうしたら、多少は静かになるか?」
抵抗も文句も全て無効化されて、俺は大人しく白旗を挙げることしか出来なくなってしまう。


(あぁ敵わないよ、お前には!)



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