赤→白(BS三期)※
※捏造だらけ
待って、待って。
背丈、背格好、髪の色、纏う空気。何もかもが彼と、あいつと同じで。
「―――勇貴…っ!」
掴んだ手の温度に感触、振り向いて見えた表情――自分の記憶の中に居るあいつだった。
あぁ変わらないんだな、お前は。そう思った矢先の話。
「誰だ?」
「誰って、」
はたと気付いた。ぐっと近付きよく見たら、目の色が僅かに違う。光の加減とかそんな問題ではなく、根本的に色が違う。
でも声は同じ、その他も全部同じ。これはよく似た他人だ、そう気付くまでさほど時間はかからなかった。
「君か、過去から来たカードバトラーとは」
「…あぁそうだ」
「カザンから聞いた。過去にも俺とよく似た者が居るのだろう?」
「居るよ。百瀬勇貴、白使いのカードバトラーだ」
頭がおかしくなりそうだった。あいつと同じ声で、喋り方で、なのに違う人。
「彼は俺のカードを上手く使ってくれただろうか」
「勇貴なら、心配いらない」
「随分と肩を持つな」
「あいつのことは俺が一番わかってる」
よく似ているとはいえ、赤の他人と間違えてしまったのだ。わかっているのなら、間違えてはいけないはずなのに。
これは思った以上に足りていないのかもしれない。
「…赤の戦士、」
その声に思わず勢いよく顔を上げるが、やはりあいつではなかった。馬鹿みたいな自分にそろそろ笑えてくる。
「ありがとう、彼を信じてくれて」
「別に」
そんな顔して笑わないでくれ。
あぁ、会いたい会いたい。この時代でも、勇貴に逢いたい。