鷹ノ助+左京(mb0g)


※アニメ版



「左京は、自分が傷付いても構わないって言うのかよ」

初めて会った時に言っていたのだ、「傷付く覚悟がなければ頂点には立てない」と。確かに全てのブレーダーが正規のルールを守り正しくバトルするわけではない。ベイを破壊しようとする者や一対多数でバトルを挑んで来る者、千差万別である。

「構わない。その先に求めるものがあるのなら」

彼の意志は揺らがない。そして後ろを振り向かない。そこに他を圧倒する実力が相俟っているのだ。
だから酷く憧れた。この背中に追い付きたい。ただそう思った。

「でも俺は、やっぱり左京にも傷付いて欲しく無いんだよ」
「戯言だな」

初めこそなんて荒いことをする無茶苦茶な奴だろうと思ったが、それは実力に差がありすぎて一見そう見えるだけで実際彼は何もしていないのだ。左京が、ドラグーンが、あまりにも強いのだ。
それを知ったら彼がとても危なっかしく見えてしまった。このままずっと一人で戦い続けたら、いつか倒れてしまいそうだった。

「傷付くことを恐れた瞬間、何も出来なくなるだろう」
「…じゃあ左京はそのままでいいから、前だけ見てて」


「後ろに、俺が居るから」
「邪魔にならなければ何でもいい」

くるりと振り返るのにつられて彼の上着の裾が翻る。赤と黒のそれは、彼のベイと同じだった。



左京とドラグーンが進むべき道を斬り開くのなら、俺とグリフが背中を守るから。
そうしたら、きっと誰も傷付かない。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -