光定*レン(cfvg)


※相変わらず捏造ばかり



「君はもっと人を見下す人間かと思ってた」

さらりと向かいでオムライスを食べる彼はそう言った。思い返せばずいぶんと失礼なことを言われたが、生憎あまり興味が無い。
彼が何を言おうと、僕が何を言われようと、それは弱者の叫喚でしかないから。

「べっ、別に雀ヶ森君のこと悪く言ったつもりとかじゃないから!あの、そうじゃなくて…」
「構いませんよ、貴方が何を言おうと」

カチャン。彼と同じオムライスを崩したスプーンが皿に当たり、小さな音を立てる。視線を上げると彼は口を開いては閉じるを繰り返し、どうやら言葉を選んでいるらしかった。

「…さっき言ったのはそういうつもりじゃなくて、ファイトが関わっている時以外を見たら印象が違うなって思ったんだ」
「そうですか」
「だって、」

ゆっくりと白い手拭きが近付き、僕の口角を滑り赤く汚れる。突然すぎて意味がわからないと睨み付けても彼は笑って受け流してしまう。

「あの時はこういう風に触る隙なんて無かったから」
「はぁ」
「ほらまた口の端汚した」

再び近付く手を避け、自分の手で拭おうとしたら何故か今度は腕を掴まれる。相変わらず、意味がわからない。

「駄目だよ、綺麗な手が汚れる」
「君は一々煩いですね」
「えっ…ご、ごめん」
「僕がどうしようと僕の勝手です」

掴まれた腕を振り払い雑に口元を拭うと彼は少し残念そうに笑った。いつも思うのだが、彼は僕に構いすぎじゃないだろうか。その浮かんだばかりの疑問を直接ぶつけてみる。

「それに、光定君は少し過保護すぎます」
「そういう風に見える?」
「一体どれだけ僕を甘やかしたいのですか」

甘やかす、という言葉が適切かどうかは難しい所だが、あながち間違いというほどでもないだろう。
彼は僕に甘い。でも時に甘さだけじゃなくてファイトの時のような鋭さも欲しくなる。きっと、言えば彼はくれるのだろうけど。

「どこまでも、僕は君を甘やかしたい」
「…聞いた僕が間違いでした」

笑顔でさらりとそう言ってしまうのだから、もう何も聞かない方がいっそ良い気がしてきた。
だからこれ以上余計なことを口走らないように自分の皿から崩したオムライスをスプーンに乗せ、彼の口に押し込んだ。



(あ、間接キスしたね)
(だから何だっていうんですか)
(じゃあ次は雀ヶ森君の番、はい)
(自分で食べれます)
(いいからいいから、あーん)

はむっ。

(…これで満足ですか)
(今のすっごく可愛かった、もう一回やって?)
(光定君の首を絞めても構わないのなら)
(え、ええぇ…)



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