リリイ*御園(SV)
※激しく捏造
「好きですよ、御園」
小さくて意地っ張りで、身体が弱くて淋しがり屋で。そんな私の大事な大事な主人。
触れた手はパシンと払われてしまったが、嫌がっているわけではないということぐらいはわかる。顔を赤くして怒るのも、いつものこと。
「う、うるさいっ!」
「でも本当のことですから」
にこりと笑って綺麗な手にキスをした。
この手を汚さなくていいように、私の術は相手の体ではなく精神を殺す。私が戦うから何もしなくていい。御園は私の用意した椅子に、ただ腰掛けていてくれればそれで。
「…お前はそうやってするくせに、俺に跪くことは無いな」
「跪いて欲しいのですか?」
「そうじゃない」
手は離したのに袖は掴んだまま。意地っ張りで淋しがり屋な御園の小さな意思表示。
「私が跪かないのは御園に下を向かせたくないからです」
「どういう意味だ?」
「言葉の通りですよ」
行為だけだとしても下を向いて俯いて欲しくないから。だから私は跪かない。
「好きです、御園」
貴方が付けた名前は私を縛る契約と言う名の首輪。
「リリイ」
「必ずここに居ろ」
綺麗な貴方が付けてくれた綺麗な名前。アリスを守る蝶として貴方を傷付けるものは全て排除するから。
だから白い薔薇を赤く染めるのはもう止めて、庭でお茶会しよう。
「もちろん。私はいつだって御園の傍に」
そこは隔離された素敵な世界。