アイキューとガゼル




見た目に反して温かい手は、そっとこちらに差し出された。

「アイキュー、」
「何でしょうか?」
「約束だ」

君の、言う通りにしよう。

約束というよりは小さな賭事だった。プロミネンスとの練習試合中、ノーザンインパクトを一度も止められなければガゼル様の勝ち。逆にディフェンスラインを固め一失点もしなければ私の勝ち。
試合自体は引き分けだった。互いに得点無し、でもそれは同時に私の勝ちを意味していた。

「本当に付き合って下さるのですか?」
「第一断る理由がない」
「では、」
「それに、結局本屋に用がある」

だからほら。そう言って再び差し出された手を、出来るだけ優しく取った。
凍てつく闇なんていう言葉を口にするのに、この人の手はこんなにも温かい。なんて、似合わないのだろうか。

「ガゼル様、」
「何だい?」
「好きです」
「そう」

ぎゅうと握ればぎゅうと握り返された。

あぁ、この人はなんて可愛らしいのだろう!







――――――

何がしたかったのか、うーん…
とりあえずアイキューお兄ちゃん模索中

実はキューガゼ好き!