シュウと白竜と雨宮



※ドロドロシュウ様と我儘太陽と板挟み白竜のよくわからない話



嫌でも目に付く橙色。僕の白にまとわりつかないでくれないか。君みたいな奴が傍に居たらほら、あの子は優しいから、すぐに。

「白竜、ふらふらするー」
「今日は動きすぎだ、もっと周りを使え」
「えぇー…だってボール持ったら走りたいしシュート決めたいじゃないか…」

ふらついた身体を支えて、心配してあげて。十年に一人の天才だか何だか知らないけれど、手がかかるからこそあいつばかり気にかけている白竜は僕のことなど見てくれない。
あぁこっちを見て欲しいのに。どうして君はそんな死に損ないばかり気にかけるの?

「倒れたら元も子も無いだろ」
「うーん、そうかもしれないね?」
「……太陽」
「あわわわ、わかったよ!ちゃんと次から気を付けるから嫌いにならないで!」
「そんなことでは嫌いにならないが」

腕を絡めて手なんかも繋いでさぁ、もう何なの。嫌味ったらしくこちらへ笑ってあいつは言うのだ。
(残念でした、白竜は僕のものです)

足元に転がっていたボールをひとつ、高く上げて派手にシュート決めれば凄まじい音がした。それでも君は僕に気付かずあいつばかり見ている。
それならこちらにだって考えがある。君の耳はこの声を拾うから。その確証と自信が今の僕にはあった。

「ねぇはく、」
「はくりゅうううー!!!」

大きな声で高らかに君の名前を叫ぶから。
そうしたら、君は僕の声を聞き、僕の姿を見てくれるはずだから。