シュウと雨宮/※



※シュウのことをあれこれ知っている太陽と、そんな太陽のことが大嫌いなシュウ様の話





憎らしくて仕方なかった。僕に似ている人間が居ると思ったのにそれはただの勘違いだったようだ。いつ消えるのかわからない存在の僕と、いつ死んでもおかしくない存在の彼。そう思っていたのにいつまで経っても彼の命は終わらない。
それどころか日に日に、目に見える形で良い方向に向かっているじゃないか。どうしてどうして、意味がわからない。

「いつ身体が動かなくなるのかもわからない、明日の見えない今を過ごしている君がどうしてなんだ!」
「僕は逃げなかった。生きるために、大好きなサッカーをするために全部受け入れた!」
「お前なんか、お前なんかたかが死に損ないのくせに!」
「でも、今ここに生きているのは僕だ」

死んでしまえばいいのに、死に損ないなどすぐに死んでしまえばいいのに。そしてその身体を僕に頂戴。
(こんな不安定な身体はもう要らないから)

「だって君は逃げたんだろう?負けることが怖かったから」
「うるさい…」
「その代償がこれじゃないか。島に縛り付けられた亡霊」
「うるさいうるさい!黙れ死に損ないがっ!」

襟元を掴み激しく怒鳴り散らす。勝者は自分だ、とでも言いたげにこちらを憐れむ眼が余計腹立たしい。

どうして僕はこんな中途半端な存在でこの世に存在しているの。こんな生殺しのような仕打ちを受けるのならいっそ、消えてしまった方が楽だろうに。
そして結局のところはそうだ、単純に彼が羨ましくて仕方ないのだ。
(思うように動かない身体でも構わないから、僕は君のように生きている身体が欲しい)