シュウと白竜




もしかしたら。好きという言葉よりも、依存という言葉の方が正しいかもしれない。

「これが究極の力だ!」

きらきら輝く白き光。手を伸ばしたら届くけれど、掴んだら黒く塗り潰してしまうかもしれない。
でも、それでも、掴まずにはいられなかった。

「行かないでよ」

ツルギ、という人に会いに行くから明日は朝から島を出るという。そんな彼の手を掴んで我儘を言った。
もし、帰って来なかったら、どうしたらいいのだろうか。島に縛られる僕はただただ想いを馳せることしか出来ない。

「俺はあいつのように逃げたりしない」
「知ってるよ、君はそんな人間じゃない」
「あいつに見せ付けてやる、俺とお前の究極の力を」
「そうだね」

神様がもし本当に居るのなら、どうか彼だけは奪わないで。
(独りの夜はもうたくさんだ)