南雲と吹雪




似ていた

空気が?態度が?ちょっとした口調が?
自分でもよくわからないけれど



「南雲君、」
「なんだお前また来たのか」

アツヤと少し似てる。自分には無い赤の色素を持つ彼、時々熱くて溶けそうになる。
そして時々、無性に欲しくなる。

「でも、君もまた此処に来る」
「お前が勝手に来てんだろ」
「そうだね」

そしてアツヤと同じ、夕日のような橙色のような瞳。猫のように細くなった瞳孔。
手を伸ばしそうになるけれど、これは違う。

彼の口を突いて出た小さな言葉、それによって現実に引き戻される。

「…お前は、長袖なんだな」
「え?」
「なんでもない」



わかってる

きっと彼も僕に誰かを重ねてる
僕は彼にアツヤの影を重ねてる


こんな関係、いつまで続くのかなんて誰にもわからない
それでも今が好きだから構わない







※すごく古いネタでした