霧野と神童



※とある作品の台詞をお借りしております



時間は重みだ、と誰かが言っていた。
じゃあ、俺とあいつの間に流れていたこの時間はどれぐらいの重さになるのだろう。

どんなに考えたってそんな基準も常識も存在しないのだから、答えなんて見付かるわけもない。それでも、何かしらの回答が欲しかった。
だから仮に二人の時間が軽自動車一台分に相当するとしよう。その重さを持った鎖で、俺は彼を自分の手元に繋いでおこうじゃないか。
他の人間なんて要らない、お前には俺が居ればそれでいいから。

でも、でも、我儘で貪欲な俺はそれだけじゃ嫌なんだ。

「大丈夫だ、俺はここに居るから」

そう言って、笑って、ぎゅうと抱きしめてくれよ…!
繋ぎ留める鎖だけじゃなくて、お前の言葉がもっと欲しいんだ。





(あぁなんて心配性なの!)
(あぁなんて自分勝手なの!)
(あぁ貴方が好きなの!)