泡沫 | ナノ




昼休み、
この間の雷電くんのチャンプルー、美味しかったなぁなんて頭の片隅で考えながら
友達と雷電くん作のお弁当を囲みながら話していた
今日も美味しかったお弁当を食べ終わり、片付けも終わったとき
ふと友達に尋ねられる

「なまえさ、本当に彼氏いないの?」

本当だってば、と答えれば、溜息を吐かれた

「ほんと、可哀相だよ」
「誰が?」
「…鈍感、」
「へ? なんか言った?」

慌ててなんでもない、と言い残し、友達は何故か去っていった
え、どうしたの

「なまえ!」
「ひゃあ?!」

思わず変な声が出た
そんなわたしに、驚かせちまったか、わりぃなと謝る綱海さん
彼は、サーフィンとサッカーに情熱をかける、とっても優しい一つ上の先輩
小さな頃からよく遊んでくれて、まるで本当のお兄ちゃんのように慕っていたからか、しょっちゅう話したりもする

「、…それで綱海さん
わざわざ教室まで…どうかしましたか?」
「あ、あぁ、そうだった」

―――明日、遊園地行こうぜ!



「きゃーーっ!」
「ひゃっほー!」

翌日は土曜日だった
綱海さんが家まで迎えにきてくれた
わたしが精一杯のオシャレをして待っていれば、すっごくほめてくれて、嬉しかった

向かったのは、遊園地
さっきから、絶叫系ばっかり乗ってる気がする…
嫌いというわけじゃない、でも苦手、かなぁ

「楽しいな!」
「ちょ、ちょっとストップ!綱海さん!」

え、と苦笑気味に振り向いた綱海さん
休憩、休憩しよう!
わたしは男の子でもサッカー部でもないの
いくらなんでも二時間動きっぱなしは無理だよ
わたしは息があがりながら訴えた

「んー、じゃあ何か食べようぜ!」
「そういえば…もうお昼ですね!」

見つけた屋台に向かって歩きだすとき、

「なんか、本当にデートみたい」
「俺はそのつもりだぜ?」

少し、照れながら言ってみると
真顔で答えられた

「え、?」

―――なまえが、好きだ





たのしくて、たのしくて

嬉しいんだけど、頭の片隅には彼が居て







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