泡沫 | ナノ




雷電くん特性肉じゃがを食べおわり、弟くんたちをお風呂にいれる時間になった
わたしは妹ちゃんと一緒に先に入り
雷電くんは弟くん四人を入れた
さっすがお兄ちゃん
手際よく、全員を入れおわり
順にタオルで頭を拭いている

「…よっし、終わったよ」
「ありがとうなまえ姉ちゃん!」

わしゃわしゃと、さらさらの髪を拭いてあげると
にっこにこの笑顔を残して、ぱたぱたと足音を立て
自分の布団へダイブした妹ちゃん

「こら! 歯を研いてから寝ろっていつも言ってるだろ」
「…はーい」

そこへ、振り向いてもいないのに、弟くんの頭を拭いている雷電くんのお説教が飛ぶ
すごーい、と口から思わず滑り出た言葉に
なまえもだ、と、今度はわたしにお説教が飛んだ



「よーし、寝る時間だぞ」
「まだ眠くないー!」

キャーキャーと、騒いでたのは約十分前
子供部屋で弟くんたちを寝かしつけた雷電くんが
起こさないように、と忍び足で雷電くんの部屋に戻ってきた

「やっと寝たぜ…」
「元気なのはいいことなんでしょ?」

元気すぎるのは問題だ、
はぁ、と溜息をついた雷電くん
弟くんたちの世話を毎日やって慣れていても、疲れることは疲れるらしい

さて、やるかーと今日の宿題を取り出した雷電くんは
片手で頭を抱え、うーうー唸りながらも、ペンを進める
わたしはもう済ましてあるから、ただ見守るだけ

「あ、ここ間違ってるよ」
「え?」
「一番の公式じゃなくて、二番の公式を当てはめるの」
「………あ、あぁ、本当だ」

雷電くんは、決して頭が悪いわけじゃない
朝も夜も、学校以外の時間は弟くんたちの世話をして
それから課題や宿題をやると、寝る時間が無くなっちゃってるから
授業は睡魔との戦い、だからときどき寝てるのが問題なんだ

「ほんと、いつもありがとな」
「…わたしは何もしてないよ」

突然向かっていた宿題から顔をあげ、にかっと笑いながらいうもんだから





はかなくて、はかなくて

たったそれだけしかできない自分が、なさけなくて





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