夏JUMP! | ナノ



「晩ご飯何にする?
あ、それより当番決めようよ」
「えー、めんどくせぇ」

わたしが吉良家に着いて数時間たった頃。
お喋りに夢中で、ずーっと居間に座り続けていたことに気付く。
風介が準備してくれた座布団のお陰で、足はあんまり痺れていないけど。
食事、洗濯、皿洗い、お風呂、掃除
気が付けば風介が広告の裏に、マーカーでキュッキュと音をたてながら、あみだを書いていた。
さすが風介、準備がはやい。

「四人で分担するなら、一人だけ二つになるね」
「俺やらねぇからな」
「やらなきゃダメだよ、晴矢」
「………洗濯、別にしようようよ
個人にしよ」
「は、なんでだよ」
「…あぁ、そうだな」

あみだの線を引いていた風介は、新しい広告の裏に、食事、皿洗い、お風呂、掃除の四つを書き、上に線を引いていく。
四つが書かれた下の部分は折り曲げ、線の上に番号をふる。

「だからなんでだよ」
「まだ分からないのか単細胞」
「みんなのを一緒に洗っちゃダメでしょ
特になまえちゃんのとか」
「そういうこと」

説明したのにも関わらず、未だ頭上にはてなを浮かべている晴矢。
左隣に座る風介が無視していいと言ってくれたので、無視をした。
わたしの右隣に座るヒロトは、相変わらず微笑んでいる。

「何番にする?」
「私は何番でもいい」
「僕も」
「んー、じゃあジャンケンで決めようぜ」



わたしは二番になりました。





 



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