夏JUMP! | ナノ



「流星ブレード!」
「プロキオンネット」
「なんかネロくんが可哀相な気がする」
「だってネロはキーパーだっポ」
「ねぇ、シュート決まったよなまえちゃん」
「体格的にさあ、なんか可哀相な気がする」
「でもネロもそこそこ強いっポ」
「無視しないでよ」

クイールちゃんと、みんなが必死にボールを追い掛ける姿を見ていると。
嫌味なくらい綺麗に、ヒロトがシュートを決めやがった。
うん、顔があれだからさ、かっこいいとは思うんだけど。
目の前に可愛い犬や猫が居たら、思わず触りたくなっちゃうのと同じで、わたしはどうもネロくんが気になって。
可愛くてしょうがなかった。
休憩に入ったら、抱きついてみようと思う。

「なまえちゃん、」

笑いながら、クイールちゃんにつんつんされる。
なんかいとこたちの仲間の中では、あだ名みたいなものがあるらしい。
サッカーチームは五つあって、何気にいとこたちはトップを争う三つのチームのそれぞれキャプテンだそうだ。
ちなみにクイールちゃんとネロくんはヒロトのチーム。

「ありゃ、口に出てたか」
「わたしもー!」
「…え?何が」
「わたしもぎゅーってして!」
「ヒロト、なにこの可愛い生き物!」

わたしたちがきゃあきゃあ言っていると、今度は晴矢がシュートを打つそうだ。

「紅蓮の炎で焼き尽くしてやる!
アトミックフレア!」
「晴矢の暑苦しいからダメ」
「あたしも同感!」
「てかキャプテンうざい」
「なまえ、訳分かんねぇえ!
てかテメェ等キャプテンに向かって何言いやがんだこら!」



彼等のチームには、それぞれ彼等に似たチームメイトが集まっていた。





 



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