「遅いぞなまえ」 「ごめん」 あんたたちがおいてくからでしょうが、なんて言ったら文句を言われることくらい分かってるので、素直に謝っておく。 何だよその態度。 まぁ、可愛い後輩に会えたし、じろくんやこーちゃんがかっこよかったし。 自分が半泣き状態になるくらい怖かったことは、あえて触れない。 あれはもう、忘れよう。 「なまえちゃん、もう始まってるよ」 「まじですか」 「うそだって」 「ごめん どうしてもヒロトだけは無理、許せない」 「え? 差別は晴矢だけじゃなかったの?」 「「「黙れヒロト」」」 「オレ、泣いちゃう」 軽くコントをしていると、今度はけんちゃんたちに突っ込まれたので、また説明をする。 「じゃじゃーん、」 「え、」 「お、ナイス成神」 「買おうって言ったのは僕だよ」 「うん、しゅーちゃんもありがとう」 「えへへ」 「みょうじさん俺も褒めてよ」 けんちゃんが取り出したのは、なんとコンビニお菓子。 ちゃんとコーラもあります。 「あれ、なんか人数分ある」 「あぁ、咲山せんぱいと、辺見と鬼道さんの分っす」 「いないから、いとこさんたち飲んでいいよ」 「辺見だけ呼び捨てかよ」 「あのデコ、役に立ちませんから せんぱいでもなんでもないっす」 「てか俺たちも先輩だからな?! タメ口とかおい」 「黙れ単細胞」 「ナイス風介」 騒いでいるうちに、夏の夜空に花が咲いたなんて、言うまでもありません。 |