―――――カン、カン…、カン‥―― 「とにかく、進むぞ」 「…頑張ろう、じろくんッ!」 「お、おう!」 ―――――カン、カン…、カン‥―― 引き続き階段を登るかと思ったのに、じろくんは何を思ったのか、先の見えない廊下を走りだした。 そして、あろうことか音が、近づいて来ているのだ。 「こ、こーちゃん!」 わたしは必死に走るじろくんの服を掴み、空いた片手でまたこーちゃんの手を掴んで引っ張って貰う。 「…はっ、はっ…………ッやべ」 「まじかよー!」 「馬鹿佐久間、何やってんだ!」 そして、じろくんはまた転けたのです。 今回は、じろくんを上手く阻止できなくて、わたしはじろくんの上に倒れて。 しかし何故か、わたしを引っ張ってくれていたこーちゃんは、わたしの上に倒れた。 え、なんで。 そして。 ―――――カン、カン…、カン‥カツ―― 音が、止まった。 何かと思って、音がした方へ振り向くと、眩しい光がわたしたちを照らした。 「…何やってんすか、せんぱいたち」 「みょうじ先輩、大丈夫?」 可愛い後輩たちでした。 |