夏JUMP! | ナノ



―――――カン、カン…、カン‥――

「とにかく、進むぞ」
「…頑張ろう、じろくんッ!」
「お、おう!」

―――――カン、カン…、カン‥――

引き続き階段を登るかと思ったのに、じろくんは何を思ったのか、先の見えない廊下を走りだした。
そして、あろうことか音が、近づいて来ているのだ。

「こ、こーちゃん!」

わたしは必死に走るじろくんの服を掴み、空いた片手でまたこーちゃんの手を掴んで引っ張って貰う。

「…はっ、はっ…………ッやべ」
「まじかよー!」
「馬鹿佐久間、何やってんだ!」

そして、じろくんはまた転けたのです。
今回は、じろくんを上手く阻止できなくて、わたしはじろくんの上に倒れて。
しかし何故か、わたしを引っ張ってくれていたこーちゃんは、わたしの上に倒れた。
え、なんで。

そして。

―――――カン、カン…、カン‥カツ――

音が、止まった。
何かと思って、音がした方へ振り向くと、眩しい光がわたしたちを照らした。

「…何やってんすか、せんぱいたち」
「みょうじ先輩、大丈夫?」



可愛い後輩たちでした。





 



- 16 -




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -