夏JUMP! | ナノ



「…本当に、入るの?」
「あぁ」
「なんだよなまえ、怖いのか?」
「そーいう晴矢こそ、震えてるじゃん」
「だ、誰が震えて…!」
「お前だ」
「うるせー風介」

わたし、こーちゃん、じろくんと、晴矢、風介の五人は、屋上に向かっています。
学校内は、今日は授業同然の扱いだから解放されているから、当然校舎内から屋上に向かうんだけど。
時刻は九時過ぎ。
作り物のオバケ屋敷よりも、夜中の校舎は怖い。

「こーちゃんが屋上にしようって言ったんだから、こーちゃん先頭ね!」
「えー」
「KOGでしょ、頑張ってよ」
「それは今関係ないだろう」
「源田のびびり!弱虫!」
「黙れヘタレ」

だから、今は誰が最初に入るか決めている。
なんで誰も、立候補しないの。
もう、みんな男の子なんだから、潔く「俺が行く」って言ってよね。

「あれ?みんな何してるの?」
「おいヒロト!」
「一人で何処に行っていたんだ」
「晴矢、風介…
も、もしかして心配してくれたの?」
「なわけあるか」
「じゃあ寂しかったとか」
「いっぺんしんでこい」

頭にクエスチョンマークを浮かべているこーちゃんとじろくんに説明をし、振り替えると後ろで何やらにやにやしている晴矢と風介。
すると彼等は息ぴったりに、ヒロトに向かっていって

「え、何二人とも、やっぱり寂しかったの?」
「なわけ」
「あるかあぁあ!」
「うぎゃああぁああッ」



ヒロトを盾にするように、校舎へと乗り込んでいったのである。





 



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