夏JUMP! | ナノ



「たっだいまー
とりあえずみっちゃん、土下座しようか」
「来たぜみょうじのお説教ターイム!」

わたしを呼びにきてくれたらしいじろくんと一緒に屋台へ戻ると、わたしは元凶のみっちゃんのお説教を始めました、まる
ちなみに、わたしが遅刻してきたときとか、今帰ってきたときとか。
大きな声で実況みたくみんなに伝えてくれているのは、隣の席の鈴木くんです。
時々凄くイラッとくるんだよねえ、あはは。

「じろくん泣いてるんですけど」
「あっははー、浴衣似合うよね」
「うん、まぁね
でも、だからって女装させるのやめようね」
「佐久間くんが似合いすぎるのが悪い」

わたしがプラカードを抱えて飛び出したときには、こーちゃんと一緒にジンベエ姿だったのに。
どうやら自称衣裳係のみっちゃんに掴まって、女装させられたらしい。
ダメだよみっちゃん。
じろくんは女顔気にしてるんだから。

「もう、なんでわたしんとこに来るかなぁ」
「なまえちゃんは佐久間くんのお母さんだよね」
「嬉しくないやい」

屋台後ろで、雑談しているクラスメイトもそうだと言わんばかりに声をあげる。
何故そういうときだけ団結するんだ、うちのクラスは。
確かに自慢の息子になるだろうけど、わたし的にはしゅーちゃんとか、けんちゃんの方がいいなぁ、なんて。

「うわぁああん」
「じろくん、泣かないで
わたしの浴衣が…鼻水つけないでぇええッ!」



そんなわたしを助けてくれたのは、帝国学園サッカー部のままんだった。





 



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