「お、重い…」 わたしはたこ焼きの絵と、赤でたこ焼きと描かれた手作り感たっぷりのプラカードを持って、何故か浴衣を着せられたわたしは、もう死にそうです。 プラカード重いんだよ! 「たこ焼き、いかがですかー」なんて大声で叫ばなくちゃいけないし、余計に重く感じる。 そうだ、いとこ三人組に手伝って貰おうとか思っていたら、わたしが着替えているうちに彼等はいつのまにかいなくなってるし。 こんちくしょー。 黒地に赤い花が散る浴衣が可愛いのがせめてもの救いだけど、わたしなんかが着ちゃって、浴衣が可哀相な気もしてきた。 「たこ焼きー、いかがですかー」 売り子としてじろくんやこーちゃんが出ているわけだから、お客さんが集まらないわけないじゃないか。 あぁ、そうか。 わたしが彼等の近くにいたら、お客さんが減っちゃうからか、すみませんねぇ不細工で。 ぶーぶー文句を言いながら、仕事をこなしていると、近くで大きな声があがる。 何かと思って辺りを見渡せば、いきなり肩を掴まれた。 「んにッ?!」 「なまえー!!」 振り返った途端、熱い抱擁を受けた。 あはは、間違えた。 怒りのタックル・別名ヒートタックルを食らいました。 「どしたの、じろくん」 「我慢の限界だぁあ!」 振り替えると、泣きそうなじろくんがいました。 |