土門くんのお隣さん | ナノ




08
部活の休憩時間
サッカーに明け暮れる日々を送っていたあの頃と比べて
秋や一之瀬に、俺はよく笑うようになったと言われた
まあ、そうかもな
帝国時代とは違って、アメリカにいた時と同じような
下手したらアメリカにいた時以上に、楽しいと思えるサッカーができるから、かな

「土門、そうじゃなくてさ」
「もう、土門くんまで鈍感になっちゃったの?」
「え?なにが?」

「巡ちゃんは?」
「巡ちゃん?
ああ、そっか 巡ちゃんもか」

そういえば巡ちゃんの隣の席になってから、余計に笑うようになった気もする
まあ、多少は悪い意味、入ってるけどね

「あ、どもんくん!
部活ですか?」
「巡ちゃんこそ、部活は…
そっか、帰宅部だったね」
「ちがいますよ
どもんくん専属のおうえんだんです!」
「なにバカなこと言ってるの
遅くなる前に早く帰りなさい」
「どもんくん、お母さんみたいです」

部活の休憩中、俺はタオルを取りに部室戻ったら、何故か巡ちゃんが俺のタオルを握り締めて寝ていたわけで
え、なに
まあ、今はもちろん抱きつかれてるけど

「どもんくん!」
「え、なに?
どうかした?」

俺は巡ちゃんから返してもらったタオルで汗を吹き
部室に掛けてある時計で時間を確認した
あ、もうちょっとで休憩が終わる

「これまで、巡の我儘を受けとめてくれてありがとうございました!」
「え?急にどうしたの」
「どもんくんだけです、巡のこと、笑ってゆるしてくれたの」

「それで、どもんくんさえよければの話なんですけど」
「うん?」





「ああ、やっぱり両方共天然だね」
「もう、じれったいなあ」


秋と一之瀬が部室の扉の前で聞き耳をたてて
そんな会話をしていたなんて気がつかなかった俺は





不意打ちと変化球は、彼女の得意技です




「いつか絶対に…またどもんくんの腰に抱きつかせてください!」
「え?いったい何の話?」
「どもんくんは宇宙人だから、そろそろ宇宙にかえらなきゃいけないって聞いたので!
だから、予約をしておかないといけないって思って」
「え、なにそれ」
「どもんくんがたとえ宇宙人だとしても
巡は大好きですから!―――――どもんくんの腰が」
「なんか訳分かんないんだけど」

やっぱり巡ちゃんは、不思議な子です





お題:ポピーを抱いて





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