土門くんのお隣さん | ナノ




06
「どもんくん!今日で席替え一ヵ月記念ですよ!」
「あ、そうだっけ 早いね」

きらっ★

朝からご機嫌な様子の巡ちゃんは
朝から一之瀬のアメリカンポーズを披露してくれた
日に日に様になってる気がするんだよね
…もちろん抱きつかれてます、うんもう気にしない気にしない

「というわけで、巡がケーキを作ってきました!」

いつものように、朝ハグを受けて
いつもより、強いし長めだなあとか考えていたら
ご機嫌な巡ちゃんは、サプライズを用意していたらしかった
てかハグに慣れてしまって、違いが分かっちゃう俺は
もうなんなんだ
ハグ自体はアメリカ時代から慣れてるから、まあ普通なんだけど

巡ちゃん特製のあのめちゃくちゃ上手いケーキか
嬉しいのか、巡ちゃんが大袈裟すぎるのが面白かったのか
よく分からないけど、俺の頬は緩みきっていたらしい

「でも、巡ちゃん今出さなくたって」
「このアップルパイは巡の朝ご飯ですよ
これから食べるんです!」

そうですか
朝から凄いですね

よく分からないけど漏れた溜息に
巡ちゃんは何を思ったのか、アップルパイを一口くれたけど
丁重にお返ししました

だってしょうがない
変態入ってるけど、巡ちゃんモテるからね
最近ひやかしの目じゃなくて、嫉妬の目で見られるんだよな
俺たちアメリカンは、間接…とか気にしないんだけど










ぱんぱかぱーん!

「今日はショートケーキにしてみました!」
「す、すっげえ」
「やっぱりすごいね、巡ちゃん」
「今日はちゃんと箱に詰めてみました
大きめに作ったので、みなさんでどうぞ!」
「なんでホールごとなんだ…?」

昼休み、巡ちゃんの机に堂々と置かれたケーキを
巡ちゃんは誇らしげに取り出して、紙皿に取り分けてくれた
お、美味い

でも、にこにこ笑顔の巡ちゃんには、
周りからの視線が痛いです、とは言えず

そういえば、

「巡ちゃんってさ、毎回こんなことするの?」
「どんなこと、ですか?」
「何ヵ月記念、とか
あれ、でも俺今まで見たことないけど」
「「バカじゃないの、土門(くん)」」

え、
今秋と一之瀬に「バカ」ってはっきり言われたけど
ひどくないか
なんだよ、二人はなんか知ってるのか?

「どもんくんだからですよ」

もふもふとでも音がしそうな、食べ方をする巡ちゃんは
ショートケーキのクリームが口の端に付いているのも
気付いてないのか、お構いなしなのか
ご機嫌な表情を一つも変えずに

きらっ★
フォークでアメリカンポーズをした

え、あのそれって…





どうやら俺は、彼女に勝てないようです


この感情は、保護者的な意味じゃなかったのか…?





お題:ポピーを抱いて





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