土門くんのお隣さん | ナノ




03
朝部が終わって秋と教室へ入った

「おはようございます」

今日も挨拶はそこそこに、抱きつこうとしてくる巡ちゃん
うん、もう慣れたけどね

「巡ちゃん、いつも飽きないね」
「はい! 巡の癒しですから」

正面からぎゅっときつく抱きつかれる
腰が癒し、ですか
最近は、周りも慣れたのかひやかされなくなった
でも、俺今汗臭いと思う

「あ、そうですどもんくん」
「ん?」
「作ってきましたよ」

きらっと指をくいっとふりふり
あれ、見たことある

「いちのせくんに教えてもらいました」
「なに教えてんだ一之瀬」

どもんくんもよくやってますよ   ぇ、まじで

「いいなぁ土門くん、巡ちゃんの手作り弁当」
「そんなたいしたものじゃないですよ」

え、弁当? まじで?
それにしても秋は、巡ちゃんに対して過保護だよな
前聞いたら守ってあげたいかららしいけど、秋さんあなたはオンナだから
内面は、ほんとに男前だけどね

「気になる衝撃な事実は………CMの後で!」

そう言って、またあのポーズをした巡ちゃん
うん、いろいろと慣れたよ
たった一週間と一日だけども、慣れって恐いね










昼休み、巡ちゃんが作ってきた弁当を囲んで
秋、一之瀬、俺、巡ちゃんの、最近ではお馴染みのメンバーで座った

「ぱんぱかぱーん!」

赤いギンガムチェックのハンカチに包まれた、ピンクのお弁当箱を
ノリノリで開けた巡ちゃん
あ、なんか可愛いかも…
って、何考えてんだ俺

「…え」
「どうですか?
巡の自信作です!」
「うん、すごいね巡ちゃん」
「よかったね、土門」

「いやいやいや、ちょっと待て待て
なんで―――――」

なんで全部ケーキなわけ?
しかも隙間なく、お弁当箱二段分ぎっしり詰まってますけど
結構上級者向けのショコラケーキらしいけど、これはご飯にはならないでしょ

「え?
巡は基本三食ケーキで大丈夫ですよ?」
「巡ちゃん?そもそもケーキは主食にはならないからね?」
「ええー!」
「何故ドン引きー?!」
「それに、巡ケーキしか作れないんです
でも、どもんくんがどうしてもっていうから…がんばってつくってきたのに、」

おいおい一之瀬、それは土門が悪いねって何でだよ
巡ちゃんがお弁当作ってくるって、昨日言ってたの聞いてたよな?





彼女の普通や日常は、俺の未知の世界だ


さすがに毎食これはきついな………美味しかったけど





お題:ポピーを抱いて





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