土門くんのお隣さん | ナノ




02
今日は後ろからいきなり抱きつかれた
あぁ、頼むからひやかすのやめてくれ

毎朝というより毎日
会うたびに巡ちゃんが不思議で仕方ない
うん、一週間経ってもだよ

今日はまさかの筆箱忘れ
シャーペンをかしたら、一時間も保たなかった
いこーる、壊した
握り潰したっていうかさ、うん、原型止めてなかった
だから、巡ちゃんの筆箱はあんなに大きくてぱんぱんなんだ、

いや、毎日折っちゃうってどうよ
握力はんぱないって

どうにか二本目は壊さないようにって見張って
ずっと見てたら、寂しいんですか?
って、何故そうなる

昼休み、転校してからずっと
違うクラスなのにわざわざ一緒に食べてる一之瀬
まだ慣れてないんだよ、って毎日女子に囲まれてるヤツが何言ってんだ

「わたしたちも一緒にいい?」
「もちろんだよ、秋」

きらっと星出てるよ、一之瀬
昔からほんとに秋によわいよな、一之瀬は
時って残酷なんだぜ?
今じゃ真っ黒なんだから

「ありがとう(土門くん、後で覚えてなよ?)」

…すみませんでした
お、お願いですから副音声を押さえてください

「あ、えっと…」
「和希巡です」

きらきらと一之瀬を見ている巡ちゃん
え、なんか変な予感がする
そういえば最近、何かしら秋と一緒にいるよな
俺と巡ちゃんは自分の席
一之瀬と秋は前の席をくっつけて座った

「土門、」
「ん?」
「またパン?」
「まぁ、そうですけど」

自慢じゃないけど、毎日購買戦争に参加してます
なんか弁当、持ってくるのが嫌なんだよなー

「そういう一之瀬だってそうだろ」
「俺はいいの」
「なんだよそれ」

バランスが悪いだの
金が掛かるだの
なんで、毎回俺ばっかり怒られんの

「…あ、はい!」
「はい、巡ちゃん」

突然挙手をした巡ちゃん、ノリよくそれを当てた一之瀬
なに、いつのまに仲良くなってんの

「巡がお弁当作ってきます」

シャーペンのお詫びです!





彼女の思い付きは、いつも唐突なんです


え、別にいいんだけどシャーペンくらい





お題:ポピーを抱いて





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