真理はどちらか

黒子in海常設定
※病み注意



ぐるぐると腹の中を渦巻くのはあの子には見せたくない醜悪なまでの嫉妬。
あの子が選んだのは自分なのだと分かってはいるのに、それでも、先輩達に囲まれるあの子を見て膨れ上がるのは、自分勝手な独占欲。
一段と煩くなったギャラリーに気付いてあの子がオレを視認する。
無機質なアクアマリンがオレを映してる。
それだけのことなのに、沸き上がる優越感。


「黄瀬くん」


オレの名前を呼んで、オレだけをその目に映して、オレに向かってくる。
それだけでドロドロとしたモノが少しなくなって、でもそれだけじゃ全然足りなくて、オレに向かってきた黒子っちを抱きしめた。


「あーもー、ホント好きッス」


ギュウッと抱きしめた身体は(口に出したりしたら二、三日どころか、一週間は口を聞いてもらえなくなるから言わないけれど)オレに比べたらやっぱり小さくて、抱き込んで、黒子っちを追って視線を向けてた先輩達に向かって微笑む。
それは、決して微笑むなんて綺麗なもんじゃなくて、嘲笑うがピッタリの笑みだっただろうけど。
勿論、そんな綺麗じゃないもんは黒子っちに見せる訳がない。


「ね、黒子っち、大好きッスよ」

「はい」


何にも染まらないアクアマリンが、オレの無機質な笑顔を映しす。
黒子っちは知らないフリで口許を緩める。



真理はどちらか
(裏表なく歪むオレと知らないフリで歪むキミ)
write by 99/2012/05/06




お腹真っ黒な黄瀬が書きたかったのに、気付けばどっちも歪んでた…!
好きだけどね、スレ黒子。





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