また、冗談でごまかした

帝光時代
黄→(←)黒




夏休みの練習で叩き込まれて、癖になった早起きが直る筈もなく、オレは早いとわかりながらもいつも通りの時間に登校した。
オレの行く先に見慣れた水色の頭を見つける。


「おはよッス、黒子っち」

「おはようございます、黄瀬くん」


無表情ながらも、挨拶を返す黒子っちは可愛い。
朝から会えるとか今日はいい日に違いないッスね。


「早いッスね」

「黄瀬くんもでしょう?」

「なかなか癖は抜けないッスよ」


欠伸を噛み殺して、黒子っちの隣を歩く。
オレより低い位置にある水色が歩く度にふわふわと揺れた。


「…青峰くん」

「なんスか?」

「いえ…青峰くんはまだ寝てるんだろうと思っただけです」


青峰っちの事を黒子っちから聞くのは正直辛い。
気にしてる割には珍しく歯切れが悪く言い淀んだ黒子っちに屈んで顔を覗き込んだ。


「どう、したんスか?」


苦しそうな顔にズキリと何かが痛かった。


「何でもないですよ」

「そうッスか?あ、黒子っちにはオレが居るッスよ。オレ、黒子っちの事愛しちゃってるんでそう簡単には離れてやらないッスから」

「そうですか」

「ちょっ何なんスか!その心底呆れた!みたいな表情は」


慌てふためいた風を装ったら、黒子っちが俺を見上げた。


「黄瀬くんのそういう冗談は聞き飽きました」

「じゃあレパートリー増やすッスね」

「いりません」


自分の鞄のポケットから出した飴を制服のポケットを確認するように触った黒子っちに差し出す。
その仕草が飴を持っているか探す時の仕草だと知っているから。


「ありがとうございます」


ほんのり笑った黒子っちにまたどこかが締め付けられた。




また、冗談でごまかした
(本気だなんて、言えないッスよ)
友達に片想い(c)ひよこ屋
written by 99/2012/05/01





帝光時代で黄黒でした。
黄瀬は仕事と両立で早起き苦手だったらいいと思います。
黒子は黄瀬に話題を振ろうとするとどうしてもバスケ部の話になって青峰の話になるという感じ。
青峰はただの話題です(酷)
何か話さなきゃ何がいいかな、青峰くんの話でいいか的な←





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