何もない部屋 シリアスに見せかけた甘 伊月×黒子 嫌だとかそういった嫌悪感はなかった。 なかったのだけれど、流石に今は困っている。 部屋に招かれてベッドに座らされた僕の腰に手を回して床に座って僕の腹に顔を埋めるように抱き着いたまま、何をするわけでもなく既に1時間程経っている。 普段はそこまでスキンシップを取ってくる人じゃないだけに、何かあったのかと心配になる。 スキンシップが多い木吉先輩に比べると、だけれど。 そろそろ僕は事情を聞いてもいいだろうか。 「黒子」 「はい」 キューっと腕の力が少し強くなる。 苦しくはない。 むしろ、心地好いくらいだ。 「黒子、好きだよ」 「僕も好きですよ」 僕らの心音と呼吸音、時計の針の音しかない空間で、伝わるのは僕の腰に回る伊月先輩の体温。 なんだか、無性に幸せだと言いたくなった。 「伊月先輩」 「ん?」 伊月先輩の顔が上がり、こちらを向いた。 「幸せです」 驚きの表情に変わって、次の瞬間、破顔一笑。 あぁやっぱり幸せです。 5月11日は月黒の日! てことで、月黒。 伊月先輩が難しかったのなんのって。 次は5月15日で帝光紫黒の日ですね^^ |