面倒事を嫌う血に飢えた獣はかく語る


※ハルが並中生だったり、ツナのクラスメイトだったりします。ツナがスレてます。




うるさい、五月蠅い、煩い。
ザワザワザワざわざわざわ。
オレに聞こえるのは雑音だ。
友と呼ぶべきなのか、そうであるべきクラスメイトたちは、雑音を立てるだけの騒音マシンだとオレは常々思っている。


「ちょっとっっ大丈夫なの!?」

「ねぇっ」

「おいっなんかあったのかよっ」

「ハルっ!」


雑音が、意味を成した。
ハルと呼ばれた少女を中心に輪ができていた。
パニックを起こしているらしい少女は友達に名前を呼ばれても反応を示さない。
ガタリ、椅子から立ち上がる。


「ちょっと通して」


何も出来ないくせに、野次馬根性だけが旺盛なクラスメイトを掻き分ける。
輪の中心にあの人を彷彿とさせる黒い髪を一つに結った少女が見える。
羽交締めるように押さえようとしているのは、彼女の友人だろうか。
彼女に一歩ずつ近付き、クラス名簿を脳に描き彼女の名前を思い出す。
ピタリと羽交締められた彼女の前で止まる。
焦点のあっていない彼女にオレは見えていないだろう。


「三浦ハル」


大き過ぎず、小さ過ぎない、変声期のむかえきらないオレの声は、よく響いた。
教室内がシンッと静まり返る。
それでも彼女のパニックは解けない。


「三浦ハル」


もう一度、名前を呼び、彼女の目と目の間を延ばした眼前となる場所に人差し指で指差した。
彼女が反射的に、オレの指に集中し、目の焦点があった。


「あ…」

「大丈夫?」

「はひっ」


パニックが解けて安心したのか彼女の友人たちが彼女に抱き付く。
オレは再び輪を掻き分けて、外に出た。
そのまま教室を後にする。
面倒事は嫌いなんだ。
平凡が一番。
そう、何事も。


「てわけで、お昼一緒にどうですか?」


ノックもせずに、並盛中学の応接室に入る。


「ワォ、当分こないと思ってた」

「事情が変わりましたから」


オレは備え付けられたソファに、雲雀さんはその向かいに座る。
これからはじまるだろう物語は、面倒事ばかりだろう。
オレの血は、そんな予感を伝えてくる。


「雲雀さん、もうすぐイタリアから厄介事がくるみたいです」

「ふーん、強いの?」


いつもと変わらず優雅に足を組み紅茶を飲む雲雀さんに、極上の笑顔を向ける。


「えぇ、最強の赤ん坊らしいですから」


雲雀さんが飢えた目で笑った。




それは

被害者[草食動物]を装った

共犯者[雑食]であり

加害者[獰猛]の男[獣]



面倒事を嫌う血に飢えた獣はかく語る
written by SHIKI,2007/10/02




18スレ27だと言い張る(ぇ)
前半のパニックの話を書きたかったんだが、無理矢理CPを詰め込むこともなかったと今更ながらに感じてます。
並中に入学してからリボ様が来るまでの設定で。
スレてる27は雲雀さんとイイ意味でライバルだと思います。
唯一18様が群れる人。
知る人ぞ知る小説をまんまパクった気がしてますが…あの方は魔王陛下なんですが…。
そういや最終巻買うだけ買って読んでねーや。
UPするかかなり悩んだ…だって、真面目に趣味だから(これ以外もな)




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