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学校の帰り道、私たちはよくコンビニに立ち寄って、アイスを買って食べた。
学業を優先すべしとアルバイトを禁止されていた私にとって、ローカルなコンビニの安いアイスは財布にとても優しかった。



「......太りますよ?」



そういいつつも彼は、私がアイスを我慢しようとコンビニを避けて通った日に限って、満面の笑みでアイスを買ってくるのだ。
まるでフリスビーを咥えた子犬が主人の元へと走り寄ってくるように、はち切れんばかりに激しく尻尾を振る動作が目に浮かぶ。
私の知る限りだと、彼はとても人懐っこい性格をしていた。
学年が異なると基本的に行動を共にすることはなかったので、彼が普段どのような生徒だったのかは知らない。
風の噂で「不良に絡まれた同級生を助けようとしていた」と耳にしたが、それらしき言動や素振りを私に見せることはなかった。
今思うと、たまに見るかすり傷や絆創膏はその時の名残りだったのかもしれない。真面目だった彼のことだから、その可能性は大いにありうる。

そう、彼は真面目すぎた。
それ故、とても心配だった。
いつかその性格が災いし、何かが起きてしまうのではないかと。



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