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※裏

(!)露骨描写注意





既に冷たくなってしまった残りの紅茶を全て飲み干して、空になった食器を洗いにキッチンへと向かう。掃除や後片付けも立派な秘書の仕事の一環なのである。

とりあえず今すべき秘書としての仕事を一通り片付け終えた私は、それじゃあと臨也さんに向けて言葉を発し、この部屋を退室しようとした矢先――臨也さんが私の腕を取り引き留めた。



「みさきちゃん。これ、忘れ物」

「……あ」



臨也さんが私の視界でチラつかせたもの。それは波江さんが彼に頼まれ、わざわざ持って来てくれた風邪薬だった。うっかりと存在を忘れかけていたことに気付き、慌ててお礼を告げる。



「す、すみません!臨也さんがせっかく気を利かせてくれたのに……本当にありがとう御座います」

「まだ完治した訳じゃあなさそうだし、きちんと薬は忘れずにね。波江さんにはちゃんと、君の会社で1番効き目のある風邪薬を、て予め頼んでおいたし。きっとこれですぐに治るさ」

「……なんか、ほんとに情けないです。いつも臨也さんに頼りっぱなしで」

「気にする事はないさ。君はよく頑張っている方だと思うよ?少なくとも俺の目から見れば、ね」



自己管理もまともに出来ていないのに、そんな私がきちんと臨也さんの期待に応えられる訳がない。とりあえず今は風邪を治すことが1番優先的だと思い、今この場で薬を飲むことを約束し、私は臨也さんから薬の入った紙袋を受け取った。

コップに水を注いで、しかしいざ紙袋を開けてみると普段見慣れた形状ではない事に気付く。というか、明らかに口に含むようなものではないのだ。粉薬でもなければ錠剤でもない。それじゃあ、これは?そのよく分からないものを手に持ち首を傾げていると、臨也さんが私の後ろからそれをひょいと覗き込む。そしてその私が持つ何かの正体を確認するなり、私の顔に視線を向け直してこう言った。



「……みさきちゃん。それが何だか知らないの?」

「ええと、実はと言うと」



それはチューブ式になっており、軽く指で押してやると先端から中身が出るような仕組みになっているらしい。どうしようかと頭を悩ませていると、臨也さんが飲ませてあげるよと提案した。勿論薬の飲み方が分からない私としては有り難かったのだが、次に紡がれた臨也さんの言葉にサァッと血の気が引くのを感じた。



「じゃあとりあえず、そこで四つん這いになろうか」



♂♀



確かに解熱剤の中ではこれが1番効くのだという。まさか彼女が座薬を持って来るとは俺にとっても予想外だったし、みさきが座薬を知らないというのもなかなか面白い話だ。確かに座薬は一般的に痔疾の治療に使われるのが大半だから、まだまだ若いみさきがその存在を知らないのも頷ける。

ちなみに俺もこれまでの人生使った事もなければ、実物を見た事すらなかった訳で。ただ使い方は知っていたから、親切心で飲ませてあげようかと提案した。飲むという表現自体が間違っていると思い直したが、とりあえず今はこの状況を楽しんでみる事としようか。



「ほ、本当にそんなところから入れるんですか!?」

「だから何度も言ってんじゃん。ほら、ここにもちゃんと書いてあるだろう?肛門、尿道、膣などに挿入して用いることだって。大丈夫大丈夫、痛くないように優しくしてあげるからさ」

「そういう問題じゃあ……!」



相変わらずジタバタと抵抗するみさきの上半身をベッドに組み敷き、臀部をこちらへつき出す格好にさせる。それでもみさきは起き上がろうと首を上げるもんだから、後ろから頭を押さえ付けてやった。シーツに顔の側面を押し付けられ、それでも尚抵抗するみさき。



「臨也さん!ふざけないでくだ……」



ふざけるな、と、そう言いたかったのだろう。しかし彼女の訴えは噎せ変えるような激しい咳によって遮られてしまう。今まで服用していた市販の風邪薬の効き目が切れてしまったのだ。

幾度もゲホゲホと咳を繰り返した後、涙で潤んだ瞳をこちらへ向けて静止を懇願する。が、ここはあくまでみさきの為なのだからと言い聞かせ、引き続き自分の行動を再開させた。次第にあの時の強い興奮が自分の中に蘇ってくる。まるで長い間眠っていた感覚が再び目を覚ましたかのような。



「じ、自分でやります!1人でできますから……!」

「でもねぇ、みさきちゃん。それじゃあきっと物凄く痛いよ?考えてごらん。全く慣らしていないあそこに無理矢理挿れるようなものだよ?」

「ッ!だ、からって、……やだッ、恥ずかしい……」

「恥ずかしがる事なんてないさ。だって、前に1度身体を交えた仲じゃない」
「……〜〜ッ」

薬なのだからそんなに痛くはないだろうけど、何も知らないみさきは俺の言葉を馬鹿正直に鵜呑みにする。

途端に顔を赤く染め、押し黙ってしまうみさき。それをいい事に、俺はみさきの履いていたスラックスを強引に膝のあたりまでずり下げた。そして臀部を両手で鷲掴みにし、そのまま大きく揉み回す。割れ目を割くように広げてやれば下着越しにアナルがひくひくと痙攣しているのが分かった。



「ほら、力抜いて」

「り、リラックスなんて、こんな状態で……んんッ」



肘を立ててみさきが何とか顔を上げるが、それでも体勢に変わりはない。ただ俺が行為をよりやりやすくする為に、みさきの両足を若干開かせた。次いで割れ目に沿って中指を這わせ、ゆっくりと何度か往復させた後、指の第一関節までを中へつぷりと挿入する。大した愛撫をしていないにも関わらず早くも愛液で潤ったそこに思わず口元がニヤつく。そして確かめるように周辺を撫で回すと、一気に奥へと指を捩じ込ませた。

簡単に指の付け根までを飲み込んだみさきの中は、尋常じゃないくらいに内壁が熱い。きっと風邪で熱が出ているせいだろうけど。初めは焦らすようにゆっくりと抜き差しをして、同時に耳たぶを軽く甘噛みする。



「あッあッ、臨也さ……」

「みさきちゃんのここ、すっごい俺の指くわえ込んでるよ?そんなにイイ?」

「やぁ…ッ、い、言わないでくださ……はぅッ」



この処女並みに強い締め付けから察するに、恐らく長い間性行為を行っていないのだろう。しかし敏感な部分は以前と変わりなく、それを知っていた俺はみさきの耳を必要以上に舌を使って愛撫した。その小さくて可愛らしい耳をぱくりと口内へ含み、くちゅくちゅと唾液を絡ませながらまんべんなく舐め回す。その度にみさきはふるりと身体を震わせ、甘い声で鳴くのだ。

片手は秘部での抜き差しを続行しつつ、もう片方の手をするりと彼女の服の中へと忍ばせる。そして未だに残っているであろう腹部の傷跡をなぞり上げ、膨らみのある部分まで滑らせる。ブラを押し退けて更に上へと進んでいくと、お目当ての突起の感触を指先で感じた。既に固くなったそこを強く摘まみ上げ、くりくりと刺激を与え続ける。同時に秘部へ挿れる指を3本に増やし、中でバラバラに動かした。すると秘部の締め付けが一層強まり、指全体を飲み込まれる感覚に思わず指を引き抜いてしまう。



「ほら、見てよ。みさきちゃんのあそこ……もうこんなに濡れてる」



たっぷりの愛液でいやらしく光る指をわざとらしく彼女の目の前に突き付け、羞恥に歪む表情を見てはその反応を楽しむ。俺は座薬を片手に持ち、わざとらしく濡れた耳元に囁き掛けた。



「これ、どっちに注入しようか。後ろ?それとも前?」

「ッ、どっちでもいいから早くして……」

「それは、早くこの行為を終わらせたいから?それとも……早く気持ち良くなりたいからかな?」

「!! そ、そんなの……ひぁッ!」



途端にがくがくと震えていた膝は次の瞬間強張り、シーツに額を押し付けるみっともない姿のままみさきはその身体を悶えさせた。下着をも脱がせ、愛液を垂らす無防備なあそこに座薬を突き刺し、必要以上に動かす。その度にぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てて、ぱっくりと大きく開いた秘部が座薬を丸ごと飲み込んでしまいそうだ。しかし座薬なんて細いものでは大した刺激にもならず、みさきは無意識のうちに腰を揺らす。

座薬を無事膣内に注入した後も、あそこは物足りなさそうにぱくぱくと収縮を続けていた。中途半端に弄られ、火照った身体が本能的により強い快感を求めているようだ。みさきはふと我に帰り、それでも行為を止めさせようと上半身を起こす。しかし俺が咄嗟に片足の膝裏を掴み上げた事によって、再び体勢を大きく崩したみさきは、ベッドに上半身だけをもたれ掛ける体勢へと戻ってしまった。更に秘部がよく見えるように片足を持ち上げ、剥き出しになった性器をじっくりと見つめる。愛液が太股をつつ…と滑り落ち、舌ですくい取るようにして舐めた。



「逃げるつもり?」

「ふあぁ……ッ、だっても……薬、終わっ……」

「こんなんじゃあ物足りないでしょ?……俺も、今物凄く余裕ないんだよねぇ」

「……?」



声、反応、体位――全てに興奮してしまった。みさきの可愛らしい甘い声、忠実に反応する敏感な身体、そして何よりこの体勢が、まるで相手を支配しているかのような感覚に陥らせる。

初めはこんなつもりなんてなかった。しかしみさきの姿に興奮を覚えてしまった俺の身体は忠実過ぎるくらいに反応した。座薬だって、ただ単にみさきをからかって遊ぶだけのネタにしてやろうと思っていただけなのだ。それが徐々に行為がエスカレートし、気持ちが高ぶり、やがて理性が飛んで歯止めが効かなくなる。



「無知って恐ろしいね」

「? ……ッ!?」



とりあえず、彼女が本来の座薬の使い方を知るその時まで俺が責められる事もないだろう、きっと。そんな安易な考えを抱き、俺はゆっくりとジッパーを下げると、立ち上がりかけた自身を取り出した。確かに俺は無条件に全ての人間を愛しているけど、性的な意味も兼ねて愛せる人間はきっとみさきが初めてだ。今まで一方的に媚びてきた女たちの事を嘲笑いながら、俺はみさきの背中にぴったりと自分の胸板を押し付ける。



「ねぇ、挿れていい?」

「やッ、臨也さん、嫌、それだけは……!」



みさきの必死な制止の声も虚しく先走りで濡れた自身の先端を何度か入り口付近に擦り付けた後、自らの上唇をぺろりと舐め、本能のままに挿入した。久々の快感について行けないのだろう、初めはただ痛がっていただけのみさきも、時間が経つに連れその端正な顔を恍惚とさせてゆく。俺は焦らすように敢えて腰は動かさず、挿れたままの状態で後ろから手をのばし隠核を摘まみ上げる。それだけでじわりと大量に滲み出た愛液が、俺の自身を伝って床のカーペットへと落ちた。



「ッはは、感度いーね、相変わらず。まだ大して動いてもいないのに、今からそんなんで大丈夫?」



肩を掴み、無理矢理顔だけこちらへ向かせる。しかしみさきの瞳は既に輝きを失いつつあり、ただただ快楽に翻弄されていた。性行為をする際、男女の身体にも相性というものがあるらしいが、どうやら俺たちはそれがぴったりらしい。お互いの意思はどうであれ、身体は素直に相手を求める。

君さえ望めば俺がこうして毎日慰めてあげるのに――なんて、今の状態のみさきの耳には届きやしない。どうして彼女は頑なに自分の意思を曲げようとしないのだろう。楽な方を選んでしまえば、今よりももっと楽になれるというのに。少なくとも1年経った彼女の身体にアイツより先に触れられたのは事実。そんな優越感に浸りながら、俺はゆるやかに腰の動きを始めた。

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