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※裏
どS/無理矢理
みさきが暴れる度にベッドがギシギシと軋む。そんなみさきを無理矢理自分の下に押さえ付けて、その白い首元に吸い付いてやった。
初めは抵抗していたものの肌に舌を這わせていくうちに、力が抜けていってしまったのだろう。次第に大人しくなっていくみさき。それでも頑なに快楽へと身を委ねようとしない。いつもと違う、違和感を感じる。
――ん?
ふとみさきの鎖骨の辺りが赤く色付いている事に気付き、何気なくそっと指を添えた。この季節だ。虫刺されか何かだろう。しかし指先でそこを触れた途端――みさきは突然目の色を変えて、慌てて両手でその痕を隠そうとするではないか。
明らかに不審な行動。そんなみさきの行動を不自然に思い、一瞬だけ浮かんだ嫌な予感をすぐに振り払う。
「なにか隠してるだろ」
「そ、そんな事……」
「じゃあ、手ぇどかせよ」
「……」
それでも手をどかそうとしないみさきの両手を強引に取り、頭の上でまとめて拘束した。制服のブレザーを半分脱がせ、ブラウスの薄い生地はいとも簡単に破け、ボタンが弾け飛ぶ。俺の予感は的中してしまった。
――……は?
――なんだ……、これ。
紅い痕。所謂、情事時に男が自分の女に付ける所有物の証のようなものだ。男という生き物は「自分のものだ」という決定的な証拠を所有物に付けたがる。だからこそ"そういう事"をしない限り、こんなものは絶対にあってはならない。
それなのに、みさきの身体のあらゆる部位にそれは存在した。ただ1つだけ確かに言える事は、俺の付けたものではないという事。そんな状況下で必然的に頭を過るのは、俺が最も嫌う最悪のパターン。つまり――
「……誰とヤッた?」
みさきが俺以外の男と、淫らな行為を交わしたという可能性――
みさきは否定もせず肯定もせず黙り込んだまま俺の目を見ない。横に視線を漂わせたまま、ただ気まずそうに眉をひそめている。このまま待っていても自分から口を割る事はなさそうだ。
「もしかして……さっきの男か?」
「ち、違……ッ!あの人は関係ない!さっきからただのクラスメートだって……」
「……へえ、あの人"は"、か」
「ッ!!」
今の状況に疑問を抱く。俺は一体何をしていて……みさきは何を隠している?みさきのいない生活がどれほど辛いかを知っていて、それでも理性と甘い感情が俺の歪んだ欲望を制御していたのは事実じゃないか。
やっぱりそれは間違っていた。俺は正しかった。物事を自分の思い通りにするには何らかの犠牲がついて回るものだ。例えそれがみさきに嫌われるような事になろうとも。少なくともこんな事になるくらいなら――嫌われてでも、どんなに罵られようとも、俺から離れられぬよう繋ぎ止めておくべきだったのだろうか?
「……はは、」
ただ、目の前に突き付けられた現実があまりにも残酷過ぎて――笑う事しかままならない。
「……ホント、やられたわ。まさか他の男とヤるような淫乱だったとはなァ……あんなに純情なフリしといてよぉ」
「……」
――なんで否定しねぇんだよ。
――なんで何も答えねぇんだよ。
どうせなら苦し紛れの言い訳をされた方が遥かにマシだと思った。だけどみさきは馬鹿正直で馬鹿みたいに単純なヤツだから、きっとそんな上手い嘘を吐く事も出来ない。そんな事、俺が他の誰よりも知っている。
だからこそ、俺はすぐに確信してしまったんだ。
「で、結局誰とシたんだよ。これだけ散々印付けられて、ヤッてねーなんて言われても信じねぇぞ」
「……」
「……何とか言えよ」
どんなに酷い言葉を吐き捨てようと、最後の一言はどちらかと言うとただ真実を知りたい一心で、絞り出した懇願に近い言葉だった。
だが、相手がいくら好きな女だろうと関係ねぇ。今ここで何もなしに許してやる気は毛頭ない。みさきの顔の真横に片手をつき、息が掛かるくらいの至近距離へと己の顔を近付ける。
「このまま黙っていれば見逃されるだろうだとか、そんな甘い考えは今のうちに捨てちまえ。……なあ、あんたはどうせ何も喋らねぇ気なんだろ?そうやって黙ってるつもりなんだろ?」
「……」
――……まあ、いいさ。
――そっちがその気なら、此方にだって考えがある。
相変わらず凄まじい数の痕に、どうしようもないイラつきが身体の中に蓄積されていく。そして同時に俺が負わせたであろう傷跡も目につくが、この前見た時の衝撃は既に失せていた。ただ、もはや感じるものは後悔や罪悪感にあらず。
「ほ、ホントに今は駄目だって……」
「あ?他の男とはヤッてるくせして今更何言ってんだ? ……足、開けよ」
みさきの両足を無理矢理開かせ下着をズラすと、既に濡れた秘部がテラテラと光っているのが見えた。俺はひとまず、ピンク色のいかにも怪しい液体が入った小瓶を掴み取る。そこを更に濡らすように、小瓶を傾かせローションのようなものを少しずつ注いでいった。
これ以上暴れられたり抵抗されると面倒な為、俺はズボンからベルトを抜き取ると、みさきの両手を頭の上で頑丈に縛り上げてしまった。それでも必死に抗おうとみさきが両腕を動かすが、手首とベルトが擦れ合い摩擦で皮が剥けてしまっている。……可哀想に。ペロリとそこを舐めてやった。
「ッ、冷た……」
秘部から溢れ出る愛液なのかローションなのか、もはや判別出来ないくらいにビショビショなみさきの秘部。つつ…と音もなく太股を伝って液がシーツへと流れ落ち、そんないやらしい光景に思わず下半身が疼く。
それ以上は秘部を馴らす事もせず、俺は早々と既に膨張しきった自身を宛がった。みさきが半泣きになりながら必死に「やめて」と懇願するが、俺の耳に届くよりも先に勢いよく挿入する。
「痛……ッ!」
ああ、もはや修復不可能。
愛して、歪んで、壊れて、幾度も幾度もその繰り返し。それはまるで輪廻の如く終わる事ない無限ループ。
「やぁッ、シ、ズ……抜い……て……ぇ」
「はッ、……の割には、すっげぇ……締めてくるな」
「だ、から、痛いって……ひァ!」
やはり馴らさなかったという事も加えて、普段以上に痛みを感じるらしい。だけど痛みに歪むその顔が可愛くて可愛くて。その顔を見たいが為に、わざと荒々しい行為を続ける。
逃げるように浮く腰を逃げられぬよう、両手を使ってガッチリと固定した。テンポよく何度も腰を打ち付けた。その度にお互いの肌がぶつかる音が部屋に木霊し、同時に水音も絶えない。
「は、あ……」
「んン!、む……ッ!」
自分なりの反抗なのか、喘ぎ声を必死に噛み殺そうとするみさき。横に背けていた顔を無理矢理正面へと向かせ、何とかみさきの口を抉じ開けようと試みる。
「開けろよ。口閉じてちゃ声、聞けねぇだろ」
「……んぁ、は……ッ!」
かぶり付くように口づけてねっとりと唇全体を舐めあげた。みさきの肩がフルリと震える。それでも口を開こうとはしない。躍起になった俺はみさきの片足を自分の肩に乗せ、更に大きく両足を開かせると、よく見えるようになった結合部分にそっと指先を這わせた。
秘部はこれでもかというくらいに濡れていて、ヌルヌルと滑りが良い。それでもクリトリスを軽く摘まんでやるだけで、じわり、と愛液が次々と溢れ出てきた。
――感じてんのか?
あんなに嫌々言っていても結局は快楽に弱いのだ。今や俺の下で、俺の思うままに悶え苦しむみさきを見てこれまでにない満足感に満ち足りた。欲に任せて動いているうちに、次第にみさきの身体が痙攣していく。
――やべぇ、イキそう。
――……ゴム付けてねぇけど……大丈夫、だよな?
一瞬思い止まった。避妊は最低限のマナーのようなものだから。強姦紛いな事をしておいて何を今更な気もするが。そんな常識人的な内なる自分が警告をする。
だけど――異常な性欲が俺の思考回路を狂わす。もっと酷い事をしてしまいたい。もっとみさきを汚したい。もっとみさきを狂わせたい。何より、これはみさきへの戒め。そして……罰。
「……どうして……」
――どうして、俺以外の男なんかと……俺の何が不服だったってんだ?
――何度も傷付けては駄目だと思って、性欲すら自重してきたというのに。
――あんなに言っておいたにも関わらず、どうして分かってくれねぇんだ……!?
「……ああ、もういいや」
考える事すら面倒臭い。口で言っても分からないと言うなら、その身体に刻み込んでやればいい。その生々しい傷跡のように。俺が感じた苦痛を、痛みを、同じくらい味わわせればいい。
もう、何もかも――吹 っ 切 れ た
「〜〜……ひッ、ぁあああ!!」
一際みさきの身体が大きく仰け反り――どぴゅッ、と自身から勢いよく精液がみさきの膣内へと放出された。お互いがイッた後も、その勢いは弱まる事を知らない。普段の要求不満が募りに募った結果がコレだ。
1滴たりとも溢さぬように全てを膣内に出し終えるまで、みさきの腰は両手で固定したままだった。あまりにも強く掴んだせいか、腰の辺りに指の痕が赤く鮮明に浮かび上がっている。しばらく余韻に身体を痙攣させていたみさきだが、やがて眠るように静かに目を閉じた。以前よりも乱暴に犯されて、肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまったのだろう。だが、
「……まだだ」
「ひ……ッ!!?」
グチャリ、
自身をギリギリまで引き抜いたと見せかけて再び奥まで挿入し、今度はスピードを下げてゆるゆるとピストン運動を繰り返した。飛びかけていたみさきの意識が再びもどかしい快感によって強制的に引き戻される。
「……ぁ」
「なに勝手に寝ようとしてるんだ?まだまだ楽しみはこれからだろ?」
「……も、許して……」
「"許す"?……ああ、許してやるさ。みさきが相手の男の名前を大人しく吐いてくれたなら、な」
もしみさきが相手の男の名前を吐いたとして、俺は一体どんな行動に出るのだろう。すぐにでも相手の男を殺しに行く?みさきをひたすら責め続ける?それは俺にも分からない。
「それに……他の男とヤるくらいなら、みさきが満足するまで俺が何度だってヤッてやるさ」
「……だから、…も……、ふぁ」
「(ヤバい、全然足りねー)」
ただ時間はたっぷりと残されていて、その時間が許す限り俺はみさきを何度だって犯し続けるだろう。
何度でも、何度でも。