3びきのそうほく
語り手:さんがく
聞き手:みんな
ひさしぶりに、おはなしつくったよ〜!
きょうはなんですか?
ふふふー!おたのしみ!
じゃあいくよ〜 !
「3びきのそうほく」!
ワイのかつやくは!あるんか!!!
そんなにむかしじゃないくらいのときに、そうほくにすむ3びきの、こねこがいました。
なまえを、しょうきち、しゅんすけ、さかみちといいます。
あるひ3びきは、おかあさんのゆうすけに、「おまえらもそろそろ、じぶんたちで“いえ”をつくるっショ」といわれ、おうちをたてることにしました。
しゅんすけとしょうきちは、おうちができあがるはやさをきそっていたので、けんかしながら、ものすごいスピードでおうちをつくりました。
きそってねぇよ!勝手にしょうきちが、ぎゃーぎゃーいってくるだけだ!
いちばんちいさくて、おどおどしているさかみちは「たいせつなフィギュアをかざって、まもれるおうちにしなきゃ……!」と、やるきまんまんで、レンガでこつこつとおうちをたてました。
そして、しゅんすけの木のえだのおうち、しょうきちのわらのおうち、さかみちのレンガのおうちが、それぞれできました!
そこにやってきたのは、おなかをすかせたオオカミの、やすともでした!
「はらへったヨー……お、ここからうまそーなニオイがするぜェ!」
はらぺこで、やじゅうかくせいしたやすともは、しょうきちのわらのおうちにきました。
「こんなわらのいえ、ひとふきでふっとばしてやるヨ!」
ひといきで、しょうきちのわらのおうちをふっとばしたやすともは、
「オメーなんでこんな、もろいいえつくってんのォ……」
と、しんぱいになりました。
なんだかふあんになったやすともは、つぎに、しゅんすけの木のえだのおうちへいき、ためしにひといき、おもいっきりふいてみました。
すると、しょうきちのおうちとおなじく、ふっとんでしまいました。
「オメーらこれ、いえっていわねーからァ!」
「す、すみません…」
「か、かんにんしてください…」
「もうコレ、さかみちもあぶねェだろ!!っざけんナ!!ぜんいんついてこい!さかみちのいえみたら、オメーらゆうすけのトコにもどすからなァ!!」
「は、はい……」
「なんかすんません……」
やすともは、なぜかぷんぷんおこりながら、さかみちのおうちのまえにやってきました。
さかみちのおうちは、それはりっぱな、レンガのおうちでした!
「お、おお……なかなかやるじゃナァイ……」
ためしにふいてみたり、おしてみたりしましたが、おうちはびくともしません。
なかからは、ラブヒメをうたうさかみちのこえがきこえてきて、なんだかいいにおいもします。
とりあえずやすともは、ノックしてからドアをあけました。
「わわわ!お、オオカミのやしゅっ!やすともさっ!」
「さかみちごうかく」
「はひぇっ!?」
そういうとやすともは、しょうきちとしゅんすけをつかんで、レンガのおうちへ、おしこみました。
「しょうきちとしゅんすけは、さかみちから“いえ”のつくりかたをおそわれ!ちゃんといえをつくらねェと、ぺろっとたべられちまうだろ!ぼけなす!!スピードなんか、きそってんじゃねェ!!!」
「ごめんなさい……」
「かんにんしてや……」
やすともは、ほんらいのもくてきをわすれて、せっきょうをはじめました。
「“じりつ”ってのは、ちゃんとやることやらなきゃいけねーんだヨ。わかったか」
ひととおりせっきょうしたあと、やすともはおもいだしました。
じぶんが、おなかをすかせていたことを。
しかし、もうすでにときはおそく、やすともは、そのばに“ばたーーん!”と、たおれてしまいました。
「や、やすともさん!どどどどうしたんですかっ!」
「は、はらへっ……」
「ぼ、ボクがつくったごはんがあるんで!よかったら!」
「わ、ワイ、水くんでくるわ!」
「オレはやすともさんをおこすから、さかみちはメシのよういしてくれ!」
「う、うん!!わかった!!」
やすともは、しゅんすけにおこされ、さかみちがよういしてくれたごはんをもりもりたべ、しょうきちがくんできた水をごくごくのむと、すっかりげんきになりました。
「その……お前らアンガトネ……」
「はいっ!おなかいっぱいになりましたか!?」
「ウン…」
「オレ、オメーらをくわなきゃいけないのに、なにしてんだろうなァ……」
ほんらいのオオカミのもくてきをわすれていたやすともは、あたまをかかえてしまいました。
「ワイら、ええはなしきかせてもらいましたで!」
「こ、これから、りっぱないえ、つくります!」
「あ、あのさ!!」
さかみちはいいました。
「こ、このおうち、ぞうちくして、みんなですもうよ!ボク、ひとりはやっぱさみしいし……ゆうすけさんもよんで、みんなでゆうすけさんに、らくをさせてあげよう!」
「それええな!ワイいっしょでええの!?」
「お、オレもがんばる!」
「うん!みんなでくらそう!やすともさんはどうですか?」
すると、
「はァ!?オレはオオカミだぞ!オメーらをくうほうなの!いっしょになんかすまねーよ、ぼけなす!!」
そういって、やすともはでていきましたが、なんだかんだできんじょにひっこしてきて、ていきてきにレンガのおうちにあそびにくるようになりました。
さかみちは、しょうきち・しゅんすけと、いっちだんけつしておうちをぞうちくし、ゆうすけをよんで、みんなでそうほくのおうちとして、しあわせにくらしました!!
めでたしめでたし!!
ハッピーエンドやからよかったけど、これワイくわれとったら軽くホラーな絵本になるとこやったで…
さんがくの話の中で、なんでオオカミのオレはご近所付き合いしてんだろーネ……
せっかくご近所さんなんですし、いつでもごはん食べにきてくださいね!ボク待ってますから!
ワイのぶんはとっといてや!!
全部食っちまうかもなァ。がぶがぶってヨ
せ、せっしょうな……
おしまい!