〜日向順平(誠凛)と一緒!・後編〜


『だって誠凛の熟年夫婦ですもの』

伊月「ねえねえ、聞いてよダーリン」
日向「んだよマイハニー」
伊月「この前部室でくろ……テツヤに『お母さん、お父さんと一緒に来てないんですか?』って聞かれたからさ。『…お父さん、(日直の)仕事でちょっと遅くなるみたいだから先に来たのよ』って言ったんだ」
日向「ほうほう」
伊月「そしたらそれを他の息子達が聞いてたらしく………」
日向「分かった、察した。だからあの時“お父さん”とか“親父”とか“パパ”とか呼ばれてたんだな」
伊月「そういうこと。ダーリンが順応性高くて助かった」
日向「可愛い息子達にあんな呼ばれ方したらノるしかねーだろ。なあ、マイハニー」
伊月「男前だな。普段はヘタレなのに」
日向「一言余計だダアホ」
伊月「自覚はあるんだ」
日向「………一応な」



『やっぱり同中の日向には知ってて欲しいな、と。』

日向「他のヤツより一歩リードしているオレの利点だぜ」
伊月「どやー!」
日向「やめろその効果音やめろ!」
伊月「いやだって、近年稀に見るドヤ顔だったからつい」
日向「えっ、そんなドヤ顔だったか!?」
伊月「さあ?」
日向「どっちだよ!」
伊月「あれ?このくだり、前もやった?」
日向「……やったよ」
伊月「自信なさそうだな」
日向「やったよ!な?」
伊月「聞くなよ」
日向「べ、別に聞いてねーし」
伊月「ハッ…自身の自信無さ過ぎ!キタコレ!」
日向「きてねーよ!!」
伊月「もう日向は我が儘だな」
日向「お前にだけは言われたくねーわ」



『眼鏡(に色々な機能が付いていて調べていそう)だから』

日向「眼鏡は関係ありません!」
伊月「と思わせて?」
日向「いやないから普通の眼鏡だから」
伊月「でもいろいろな機能がついていて調べてそうって。もしかしてその眼鏡、スカウターか何かなのか…?」
日向「普通の眼鏡だっつうの!!」
伊月「ほんとに?」
日向「お前一回掛けたことあんだろ」
伊月「そうだな」
日向「普通の眼鏡だったよな?」
伊月「そう、だな」
日向「じゃあいいじゃねーか」
伊月「コメントをしてくれた方の夢を壊したくないんだ」
日向「現実が見えてるコメントだと思うんだが」
伊月「オレの夢が壊れる」
日向「現実が見えてないのは伊月の方だったか」
伊月「日向」
日向「なんだよ」
伊月「その眼鏡、多機能眼鏡?」
日向「ちげーよ」
伊月「しょぼん」



『やっぱり長い間一緒にいるので。勝手ながら願望もありますが。』

日向「オレと伊月には夢と希望が詰まってんだもんな」
伊月「ははっ」
日向「わーらーうーなー!!」
伊月「だって日向が夢と希望とか言うからさ。なんか面白くて」
日向「伊月くんはオレなんだと思ってるわけ?」
伊月「日向は日向だろ」
日向「やめろ何言ってんだコイツみたいな顔で言うのやめろ!」
伊月「そんなこと思ってないよ。似合わないこと言ってるなーとは思ったけど」
日向「お前ってオレには容赦ないよな」
伊月「日向ならいいかなって」
日向「…喜んでいいのか?」
伊月「信頼してる証なんだから喜んでいいと思うよ」
日向「おう」
伊月「照れちゃって」
日向「照れてねーし!」
伊月「はいはい」



『日月はさいきょーです!!』

伊月「二回目は二階からかい?」
日向「は?」
伊月「最強の西京焼き!」
日向「は?」
伊月「日月って火付きがいいね!」
日向「……」
伊月「デスティニーですってね!」
日向「……」
伊月「キタコレっ!!!!」
日向「きてねーよ!!」
伊月「まさか、そんな筈は…」
日向「伊月のダジャレポジティブはどっからくんの?」
伊月「体の奥底から湧き出てくる」
日向「伊月はダジャレで出来てるんだな」
伊月「嬉しいこと言うなよ」
日向「前言撤回」
伊月「なんで?!」
日向「なんかウザい」
伊月「ウザ……照れてる?」
日向「ちげーよっ」



『中学から連れ添った仲ですし、苦しい時も嬉しい時も一緒だった妻のことはなんだって知っているでしょう』

伊月「なんせ熟年夫婦だからな」
日向「そうだな」
伊月「まだ高校生なのに」
日向「そうだな」
伊月「いつの間にか子宝にも恵まれて」
日向「8人だっけ?」
伊月「8人…?」
日向「木吉と水戸部はじいちゃんばあちゃんってことになったじゃん」
伊月「ああっ!そっかそっか、そうだった。息子だと違和感ありすぎるからオレの両親になったんだっけ」
日向「そうそう」
伊月「大家族だな」
日向「だな」
伊月「頑張って稼いでねダーリン」
日向「おう、任せろ」
伊月「武将フィギュアばっかり買ってちゃダメよ。あんまり買い過ぎてたら浮気とみなして実家に帰るからな」
日向「厳し過ぎやしないか?」
伊月「それか、娘のリコと折る」
日向「ごめんなさいそれだけは止めてくださいお願いしますマジで」



『WCの海常戦、あれ見たらもう日向しかない。』

日向「あれ?」
伊月「火神に披露したオレの小学生エピソードじゃないか」
日向「あれか」
伊月「オレのことをそんなに知ってるなんて、さては日向……」
日向「なっ、なんだよ…」
伊月「相当好きだな、オレのこと」
日向「あ、あああ当たり前だダアホ!」
伊月「どもるなよ」
日向「どもってねーよ!」
伊月「せっかくかっこいいんだからもっとしゃきっとしろよ」
日向「かっこいい?」
伊月「あ」
日向「誰がかっこいいって?」
伊月「あ、あー…いや、その、」
日向「ほらほら伊月くぅん」
伊月「日向、の眼鏡かっこいいね!」
日向「眼鏡?!」
伊月「眼鏡!」
日向「素直じゃねーな」
伊月「うるさい!日向なんて知らない!」



『日向主将なら絶対全問正解する。眼鏡だし。』

日向「眼鏡は関係ありませーんっ!!」
伊月「認めちゃえよ日向」
日向「関係ないって言ってんじゃん!」
伊月「オレは多機能眼鏡を推薦してるからさ。うん、だったらいいなーみたいな」
日向「止めろよ眼鏡推し」
伊月「もしかしてその眼鏡が本体?」
日向「んな訳ねーよ!どこぞのツッコミ眼鏡みたいになってんじゃねーか!」
伊月「冗談だよ」
日向「冗談かよっ」
伊月「一緒にバスケしたいし」
日向「伊月…」
伊月「眼鏡が本体だったらパスした時点で、日向はもう…」
日向「ときめいたオレがバカだった…!」
伊月「でも日向なら眼鏡関係なくオレのクイズで全問正解してくれるだろ」
日向「まあな。自信はあるぞ」
伊月「期待してる」
日向「おうっ」



『小学生の頃から伊月を知ってるから!』

伊月「同中だし」
日向「高校も一緒だし」
伊月「何かと縁を感じる」
日向「だな」
伊月「ただやっぱり気になるのは小学生からの付き合いなのか、中学生からなのか」
日向「ガキの頃からでいいんじゃね?」
伊月「まとめたな」
日向「だってめんどくせーもん」
伊月「話終わっちゃうじゃん」
日向「これ以上広げてどうすんだよ」
伊月「……どうしようか」
日向「考えてなかったのかよダアホ」
伊月「日向と話してればどうにかなるかなって思って」
日向「オレにだって出来ることと出来ねーことがあるんだよ」
伊月「それは言われるまでもなく知ってるけど」
日向「ですよねー」
伊月「あ、」
日向「ダジャレなら言うなよ」
伊月「?!!」
日向「言うなよ」
伊月「そこをなんとかっ…!」
日向「皆さんコメントありがとうございましたー」
伊月「ううっ、ありがとうございました」






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