〜黛千尋(洛山)編〜

『兄にしたい←』

赤司「千尋兄さん」

葉山「ちー兄ちゃん!」

根武谷「兄貴!」

黛「オレを兄と呼んでいいのは妹だけだ」

実渕「妹ならここにいるじゃない」

黛「お前じゃない。いいか、妹というのはな…」

この後黛は、たっぷり一時間妹の何たるかについて語ったそうな。



『洛山の呪われし影!残念ナルシスト!なのに自己評価辛辣!決勝で結構酷い扱いされてもコートに立ち続けるそのメンタルと、にじみ出る人間臭さが最高です』

赤司「す……すま、すまなかった」

黛「決勝でのことはもういい。今はこのコメントについてだ」

赤司「何か問題でもあるのか?」

黛「内容はいいこと書いてるのに、出だしが若干中二臭い」

赤司「中二……ああ、中二病のことか」

黛「お前のことだ」

赤司「矛先を僕に向けないでくれ」

黛「でも好きだろ?」

赤司「………悪くはない、な」

黛「素直になれよ、湯豆腐メンタル」

赤司「好きだ」

黛「悪かった、オレが悪かったから瞳孔かっ開いてこっち見るの止めろ」



『意外と毒舌なところが好きです!』

黛「そんなに意外か?」

実渕「黛さん、見た目はすごくクールに見えるもの。口を開けば毒舌だなんて意外性しかないわ」

黛「周りのせいだろ」

実渕「どういう意味?」

黛「くっそ生意気な後輩がいれば、自ずと口も悪くなるさ」

実渕「あらやだ、黛さんたら。生意気な後輩じゃなくて可愛い後輩、でしょ!」

黛「お前らのどこが可愛いっていうんだ」

実渕「全部よ」

黛「はあ?」

実渕「全部可愛いわよね?」

黛「お前ら誠凛行って可愛い後輩の何たるかを学んで来い」



『アニメで、黛さんが喋った時は、テンションが上がりました!』

黛「秀徳戦は喋るどころかほとんど顔も出なかったからな、テンションも上がるだろう」

葉山「アイキャッチすら顔出しNGだったもんねー」

黛「ようやく出た!と思ったら、秀徳戦はもう終わっていたんだ」

葉山「いいじゃん、決勝じゃめちゃめちゃ喋ってるし!目立ってるし!」

黛「30巻のドラマCDに出たお前にオレの気持ちが分かってたまるか」

葉山「………ご、ごめんなさい」

黛「しかし、ゲームでハブられなくて良かった」

葉山「黛さん隠しキャラだっけ?」

黛「ああ。ちなみに登場させる方法は…」

葉山「わぁーー!!」



『千尋先輩は、美人さん!』

黛「アリガトウゴザイマス」

根武谷「片言になってんぞ」

黛「美人はイケメン枠らしいから一応礼を言ってみただけだ」

根武谷「そうか」

黛「ああ」

根武谷「………」

黛「………」

根武谷「なあ」

黛「なんだ?」

根武谷「腹、減らねーか?」

黛「別に」

根武谷「そうか」

黛「ああ」



『取り合えず大好きだから』

実渕「とりあえず、だなんて素直じゃないのね。そんなところも可愛いわ!」

黛「なるほど、ツンデレか」

根武谷「なんだぁ、ツンデレって」

実渕「そうね……黛さんみたいな人のことをそういうのよ」

黛「オレはツンデレじゃない」

根武谷「分かったような、分からねーような」

黛「分からなくていい」

実渕「それでツンデレっていうのはね、」

黛「説明もするな…!」



『洛山の影!カッコいいです!』

黛「………、」

葉山「どしたの黛さーん」

黛「…ネタが」

葉山「ネタが?」

黛「ない」

赤司「というのがネタだな?」

黛「くっ、何故分かった…!」

赤司「この天帝の目<エンペラーアイ>に見抜けぬものなどない」

黛「なん…だと?!」

葉山「………え、えっ?」

赤司「洛山の光と」

黛「洛山の影の」

赤司「遊戯」
黛「遊び」

葉山「最後揃えろよ!」



『私は、何があっても千尋先輩に好意的です!』

実渕「愛されてるわね!やるじゃないの黛さん!」

黛「どうだ、これがオレの力だ」

葉山「黛さん何もやってないじゃん」

黛「やっただろ」

葉山「例えば?」

黛「お前らにパスを出したり、ミスディレクションしたり、シュートしたりなんだりかんだり。すごい、オレ大活躍」

実渕「普通、ね」

葉山「普通じゃん」

黛「お前らにオレの気持ちが分かってたまるか」

実渕「こんな黛さんでも、コメント送ってくれた子は好意的なのよね…」

葉山「女心ってわっかんね…」



『自己評価が厳しいところが好き!』

根武谷「見た目の方はそうでもねーだろ」

赤司「ああ。今までの台詞を振り返れば一目瞭然だ」

黛「この見た目で謙遜する方が嫌味っぽいだろ」

赤司「千尋は社交辞令の応酬をするのが面倒なだけではないのか?」

黛「……(なぜバレたし)」

根武谷「なんだそりゃ」

黛「……(分かってない、だと?)」

赤司「そういえば、美人だと言われていたが否定していた。法則が乱れた?」

黛「お前らってほんと面倒くさいな」



『なんかもう可愛いですよね!ものすごく大ッ好きです!』

黛「かっ…かわ、可愛い?誰が?」

実渕「黛さんに決まってるじゃない!」

黛「かっこいいと言え」

葉山「あ、じゃあさ、かっこ可愛いでいいんじゃない?!」

実渕「可愛い、かっこいい、美人。三拍子揃ってるなんてやるわね黛さん!!」

黛「余計な言葉を付けるな」

葉山「黛さん我が儘過ぎ!」

実渕「そうよ、可愛い女の子からの讃辞を素直に受け取るべきだわ!」

黛「許せ、難しい年頃なんだ…」

葉山「年頃とか関係なく、認める気ないじゃん」

黛「その位スルーしろよ」



『キレイで、カッコいい!』

赤司「やっと最後のコメントのようだ」

葉山「終わったー!!」

根武谷「なあ、牛丼食いに行こうぜ。腹減っちまってよ」

実渕「そんなに行きたいなら、あんた一人で行って来なさいよ」

黛「おい」

葉山「えー、レオ姉行かないの?」

赤司「僕も遠慮しておこう。まだ、やらなければならないことがある」

根武谷「あんたは?」

黛「えっ」

根武谷「一緒に行くか?」

黛「行か、ない…」

葉山「結局永ちゃんと二人かー」

実渕「くれぐれも食べ過ぎには注意しなさいよ!」

黛「………、いやいやいやいや待て待て。こんな終わり方でいいのか?」

赤司「今更だ」






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