第十四回 真夏のフリートーク

 これはRZ高校のA氏が企画立案、プロデュースし、9696動画に投稿された作品である。
 作品を再生すれば、真っ白の画面に運命と達筆な手書き文字が書かれた青い男性用マークとネタ帳の絵、パイナップルの絵、目だけ黒くした某ラノベキャラが映し出された。
 しばらくするとアップテンポの明るい曲が流れ始め、音源を示すかのように各イラストの上には文字が記されていく。

 そして、青い男性用マークの絵の上に「夏だな。夏といえば、」という文字が書かれ、それは始まった。



【ラジオ・残メンカルテット(第十四回)】


運命厨(以下森)「ナンパだな」

パイン(以下宮)「あいたたたっ」

ラノベ(以下黛)「引くわー」

ネタ帳(以下月)「………」

森「ネタ帳に無言で目を逸らされたのが一番堪えた…」

月「どうすればいいのか分からなくて………すいません」

森「なんだこれ、胸にぐっさぐさくる」

宮「恋だな」
黛「恋だな」

森「恋?!!そうか、これが…」

月「あの、そういう茶番はいいのでさっさとタイトルコール言いましょう」

森「 」

月「せーのっ」


全『ラジオ・残メンカルテット!!』

宮「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りします」


黛「ネタ帳、調子でも悪いのか?」

月「えっ……、」

宮「熱中症って訳でも無さそうだし、お前マジでどうしたんだよ」

森「熱中症じゃないなら夏バテか?」

月「違います。オレは大丈夫ですから」

宮「だって、なあ?」

黛「オレらならまだしも、誰にでも平等に接するように気を付けてるあのネタ帳が運命厨に辛辣な態度をとればな」

宮「体調が悪いんじゃないかって疑いたくもなるよな」

森「オレへの態度でネタ帳の体調不良を見極めないでくれないか」

宮「断る」
黛「断る」

森「 」

月「心配してくれるのは有り難いんですけど、ほんとに大丈夫なんですって。ただ」

黛「ただ?」

月「ただスランプに陥ってしまって少し、落ち込んでいただけですから」

宮「は?スランプ?」

月「はい、ダジャレのスランプです…」

黛「ダジャレの…」

森「スランプ…」

月「最近うまいダジャレが全然思い付かなくて、思い付いたとしてもどれもいまいちな出来なんですよね。はあ…」

黛「…」

森「…」

宮「…」

森「つまり。ダジャレの調子は悪いけど体調は全く問題ない、とそういうこと?」

月「はい」

宮「はっはー、ネタ帳てめぇややこしいことしてんじゃねーよそのサラツヤヘアー一本一本丁寧に引っこ抜くぞ!」

月「地味に痛いやつ…!!」

黛「死なないやつだから大丈夫だろ」

月「社会的に死にます!」

森「まあ、体調不良とかじゃなくて良かった」

宮「紛らわしい真似すんなよ」

月「すいません。でも、スランプに陥ったらテンション下がりません?」

宮「確かにどんなことでも伸び悩みん時は変に悩みまくってテンション下がるな」

黛「ヲタ芸のキレがなくなった時か?」

宮「なんでそこチョイスするんだよ掘りたての泥ゴボウでフルボッコにすんぞ」

黛「普通に痛いやつ…」

森「という訳で一旦CM!!!」



+++



「全てに勝つAグループは全て正しい」
「Aグループです」


「ザリガニ、釣りませんか?」
「TO高校」



+++



黛「ザリガニは卑怯だろ」

宮「ラノベェ……お前運命厨に向かって吹けよ!なんでオレなんだよ轢くぞ!!」

森「いや、オレもかかってるからね」

黛「二人共ごっめぇん」

宮「腹立つぅ!!!!!」

森「いたっ!いった!!!!!」

月「運命厨さんはとんだとばっちりですね。ご愁傷様です」

黛「ところで今日は、このままフリートークのみなのか?」

月「……みたいですね。あ、でも、トークテーマがあるらしいですよ」

宮「トークテーマは…『夏といえば』」

森「ナンパだろ」

宮「お前ちょっとホオジロザメかシュモクザメかイタチザメの餌になって来いよ」

森「全部人襲う可能性があるヤツ…!」

黛「夏といえば……真夏の祭典だな」

月「真夏の祭典?」

黛「ああ、一大イベントだ」

月「ねぶたとか阿波踊りとかですか?」

宮「絶対違う」
森「絶対違う」

黛「そういうパインはどうなんだ?」

宮「アイドルフェスとかだな」

森「お前このくっそ暑い炎天下の中、ヲタ芸しに行くのか?」

宮「このくっそ暑い炎天下の中、ナンパしに行くお前にだけは言われたくない」

森「フットサルにも行きますー!」

黛「どっちにしろ運命厨にだけは言われたくないな」

宮「ネタ帳は?」

月「オレですか?夏といえば、ですよね。うーん…一番はインハイなんですけど、それ以外だと祭りとか花火とか?あ、肝試しも夏って感じがしますよね」

森「泣いた」

宮「反省した」

黛「でも後悔はしてない」

月「???」

宮「ネタ帳、帰りにパピコ奢ってやる」

月「え、いいんですか?!ありがとうございます!あっ、アイスクリームも夏って感じがしますよね。皆さんはどんなアイスが好きですか?」

森「そうだなー……さっぱり系かな。かき氷とかのシャリシャリ系のやつ」

宮「オレ、バニラ」

黛「オレは…日による」

森「ネタ帳は宇治金時とか好きそう」

月「あ、好きです。抹茶味とか」

宮「見事にバラけたな」

森「ラノベは言ってないけどね」

黛「ちなみに今日の気分はアイスの実なんだが………運命厨、奢って」

森「なんで?!」

黛「じゃあ、分かった。割り勘のパピコで我慢してやるよ」

森「上から目線!!!」

月「アイスの話してたら食べたくなってきましたね。ん?アイス………はっ、アイスを愛す!キタコレ!」

宮「………スランプ?」

黛「聞くな」

森「いつものとの違いが分からない」

宮「量?」

黛「確かに」

森「今日初めて言ったけど」

月「あれ、どうかしましたか」

宮「いや、別に。夏になったら一回はキンキンに冷えたスイカを食いてーなと思っただけだよ」

月「いいですね、スイカ。海に行った時にやるスイカ割りも楽しいですよね」

森「そうだな、ナンパした水着姿の女の子と一緒にスイカ割り。楽しそうだ…!」

宮「運命厨みたいなふざけたヤツの頭を一発で叩き割れたらスカッとするよな」

森「オレの頭はスイカじゃない!!!」

黛「つか、スイカは涼しい自宅でゆっくり食べたいんだが」

森「情緒も醍醐味もないな」

黛「だって外暑いし」

宮「おい誰かこの引きこもり外に引きずりだせ。真夏の太陽で焼くから」

月「でもラノベさんは引きこもってばかりじゃないですよ!ええっと……真夏の祭典でしたっけ?それに参加するみたいだし、ラジオの収録にもちゃんと来てますし」

黛「どやー」

森「棒読みだ…」

宮「くそっ、腹立つ…!こんな苛立った時にはK村青果店のスイカ食って気を紛らせるしかねーな!!!」

森「ぶはっ!K村青果店…!」

月「な、なんでK村青果てっ…!」

宮「いいか、よく聞けお前ら。採れたて新鮮野菜といえばK村青果店、美味しい果物といえばK村青果店。K村青果店をどうぞよろしく!!!!」

黛「お前はいつK村青果店に買収されたんだよ」

宮「買収?人聞きのわりーこと言ってんじゃねーよ。K村青果店のせがれと出会ったその人からオレはな、この店を一生応援するって決めたんだこの前食べた完熟マンゴー超うまかった!!!!!」

森「完全にK村青果店の回し者だな」

月「さすがに完熟マンゴーを出されたら、断れなかったんじゃないですか」

宮「は?ちげーよ。せがれから涙ながらに、デパートや大型百貨店に客取られてリピート有り気の新規の客がすくねー話を聞かされたからだよ………ぐすっ」

黛「思い出して泣いてる、だと…?」

月「パインさんが情に熱いヤンキーみたいになってますね」

森「見た目はそんな感じだけども」

宮「せがれええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!」


【パインの男泣きが終わるまでしばらくお待ち下さい】


森「ここで、ZN(残メンネーム)・おは朝は神の信託さんの今日のラッキーアイテム報告だ」

宮「いい気分に浸ってたのにおは朝のラッキーアイテムの話ぶっこんでくんなよマジふざけんな!運命厨なんかバナナの皮で盛大にスベっちまえ!!」

森「今日はやけにバリエーションに富んでるな!全部嫌だけど…!!」

黛「で、おは朝は神の信託さんのラッキーアイテムだが『青果店で売っている高級マスクメロンで作ったマスク』らしい」

月「マスクメロンで作ったマスク?!!」

森「?!!」
宮「?!!」
黛「?!!」

月「マスクメロンで作ったマスクっ!はっ…お面を付けたら、おー麺が食べれない!キタコレェェェェェェェェエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!」

森「 」
宮「 」
黛「 」

月「……………ふう」

森「…」

宮「……」

黛「………」

月「えー、写真もあるみたいですよ」

黛「…(何事もなかったかのように喋り出しただと…?!)」

森「わ、ぅ、うわあああ!!!ほんとにマスクメロンでマスク作って…ぶほっ!ふ、服が、汁でべちょべちょなんだが!」

宮「何がヤバいって無駄にクオリティがたけーことだよな。あと、当然のようにマスクの上から眼鏡してるところ」

月「それでこの高級マスクメロンですが、K村青果店で購入したそうです」

宮「当たり前だっての」

黛「オレ、今日の収録内容、K村青果店しか覚えてないんだけど」

森「大丈夫、オレもだ」

宮「オレのおかげだな!!!」

月「パインさんいい顔してますね」

森「といったところでそろそろ終わりの時間だな。最後はパイン、これを読んでくれるか」

宮「おう。感想の他にも“残メンQ&Aのコーナー”への質問や悩み、オレ達への無茶ぶりや“一言物申し隊”へのメッセージも随時募集しているぞ。全ての宛先はコメント欄まで」

月「皆さんからのご応募、」

全『待ってまーす』

月「という訳で、今回のお相手は」

宮「みゆみゆ命・パインと」

森「女の子命・運命厨と」

黛「二次元命・ラノベと」

月「ダジャレ命・ネタ帳でした」


全『次回も残念なラジオがやって来る?』


黛「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りしました」


\よし、パピコ買ってK村青果店行くぞ/
\最後までK村青果店…/




 こうして四つのイラストが描かれた真っ白な画面は黒い画面に切り替わり、停止した。
 どうやら放送は終わったようだ。
 そして、このハチャメチャラジオは次回もあるらしい。

続く...






[前へ] [次へ]
[戻る]





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -