第十三回 一蓮托生

 これはRZ高校のA氏が企画立案、プロデュースし、9696動画に投稿された作品である。
 作品を再生すれば、真っ白の画面に運命と達筆な手書き文字が書かれた青い男性用マークとネタ帳の絵、パイナップルの絵、目だけ黒くした某ラノベキャラが映し出された。
 しばらくするとアップテンポの明るい曲が流れ始め、音源を示すかのように各イラストの上には文字が記されていく。

 そして、ネタ帳の絵の上に「さて、」という文字が書かれ、それは始まった。



【ラジオ・残メンカルテット(第十三回)】


ネタ帳(以下月)「十三回目ですね」

ラノベ(以下黛)「デス、サーティン…」

パイン(以下宮)「恐怖を煽るな」

運命厨(以下森)「まさか、スタン、ド…」

黛「アッ、テガスベター」

森「ギャアアアアアアア生のホラ貝ィィィィイイィィィィィ!!!!!!!!」

月「ホラーだけにほら、ホラ貝!ほら吹くホラ貝、キタコレ!!!」

宮「お前らうるせー轢くぞっ」

黛「あいたっ」
森「あいたっ」
月「あいたっ」

森「パインからの容赦ない責め…」

宮「その言い方止めろ!なんか嫌な感じするから止めろやマジで…!」

月「てか、なんでここにホラ貝があるんですか?」

黛「おは朝は神の信託さんの今日のラッキーアイテムらしい。更に運気をアップさせるにはお世話になってる先輩にラッキーアイテムをプレゼントするといいんだと」

森「だからって生はないだろ生は!」

黛「オレに言うなよ」

森「せめて茹でるか、それなりの加工を施したお土産品みたいなヤツにしろよ!!」

黛「だからオレに言うなよ」

宮「ああもう、お前らの話終わるまで待つと進まねーからタイトルコールいくぞ」


全『ラジオ・残メンカルテット!!』

月「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りします」


森「コーナーに入る前に、前回のゲストのオネェからメールが届いてるぞ」

黛「『前回はゲストに呼んでくれてありがとう!長時間イケメンに囲まれてたから私のお肌、ツルツルよ。それにとっても楽しかったわ。また遊びに来るから、その時にも口説き文句を聞かせてちょうだいね!』…二度と来るな」

月「ああっ、またそんな失礼なこと言って!ダメじゃないですかっ」

黛「いいんだよ、別に」

宮「お前、授業参観嫌いだろ」

黛「お前だって嫌いだろ」

森「好きなヤツっているのか?」

月「探せばいるかも知れませんよ」

黛「面倒だ」

森「話がいい感じにまとまったところでこのコーナー行くぞ、“一言物申し隊”!」

月「このコーナーは、リスナーの皆さんから送られてきた心の内に秘めた一言物申したいことを紹介していきます」

宮「んじゃ、まず一通目。ZN(ザンメンネーム)・ギリギリ○カップさんの一言物申したいこと。『胸は大きけりゃいいってもんじゃないわよね!?』」

森「そうだな、女性を胸で判断するなんて失礼だ…!」

黛「でも、確認するよな」

宮「まあな」

月「えっと…ノーコメントで」

森「次、ZN・爆買留学生さんの一言物申したいこと。『きりたんぽ鍋も用意してあるアル』」

黛「この季節に鍋はない」

宮「きりたんぽは食ってみてーけどな」

月「あるある…あるある……」

森「野郎だけのナベパはパスだな」

宮「でも冬にやったよな、ナベパ」

森「シーッ!シャラップ!シャラップ!」

宮「はぁ??聞こえなーい」

黛「なんだその小学生のノリは…」

月「という訳で“一言物申し隊”のコーナーでした。CMの後もまだまだ続きます」



+++



「古きを知り、新しきを知ること」
「ST高校」


「全てに勝つAグループは全て正しい」
「Aグループです」



+++

宮「ところでネタ帳、お前さっきの一言物申し隊であるある言ってたよな。まあ、聞くまでもないと思うが一応聞いとく。なんで?」

月「ダジャレ考えてました」

宮「やっぱりな!」

森「好きだよね、ダジャレ」

月「はい、大好きです!!オレの生き甲斐ですライフワークです元気になる魔法の呪文です!あ、せっかくだし聞きますか珠玉のダジャレを。いろいろありますよ!」

黛「いや、聞かないけど」

月「 」

森「めっちゃショック受けてるじゃん…」

月「ダジャレ…、」

宮「その良心を抉るようなしょんぼりの仕方止めろ」

月「ふえ?」

黛「無自覚…だと…?」

森「…どうする?」

黛「……、」

宮「あー…なら、一つな。ダジャレ一つだけ言っていいからしょんぼりすんなよ」

月「ありがとうございます!!」

森「くっ…まぶしっ…!」

黛「オレ達の心が荒みきってる証拠だな」

宮「運命厨の心、ぞうきんを洗った後のどどめ色の水みたいに濁ってそうだよな」

森「なにをぅ?!パインの心だって濁ってそうじゃないか、習字の筆を洗った後のドス黒いの水みたいに」

黛「えんがちょ」

宮「ラノベはあれだ、風呂の残り湯」

黛「洗濯に使えるからまだマシだな」

森「じゃあ、他のにするか」

宮「だな」

黛「ちょっと待て。じゃあってなんだじゃあって」

月「あの」

宮「うおっ、な、なに…?」

月「ダジャレ、一つ、聞いて、貰えるんですよね」

森「ああ、男に二言はない!」

月「じゃあ早速言わせて貰いますね!いいダジャレが有りすぎて一つに絞るのは難しかったですけど今この場に相応しいダジャレを頑張って選びました!」

黛「ふ、ふぅん」

森「へ、へえ」

宮「ほ、ほぉん」

月「では。ダジャレを言うやつはだれじゃ?!オレじゃ!キッタコレ…!」

黛「 」

森「 」

宮「 」

森「オレ、ネタ帳をこんな子に育てた覚えないんだけど」

黛「育ててないからな」

宮「この顔で嬉々としてダジャレを言うってのがさ、ほんと胸を打つよな」

黛「これが世に言うギャップってやつだ」

森「なに、ギャップだと…?!何かしらのギャップがある人間はモテると雑誌かネットで見たことがあるぞ!ネタ帳、ギャップ師匠と呼んでも」

宮「うるせー!轢くぞオラっ!」

森「ぎゃあああああああああああああっ」

黛「…(パインが轢くとよりうるさくなるんだがな…)」

月「オレ、ギャップなんてないですよ。皆さんみたいに顔が良いわけでもないですし、至って平凡な人間ですもん」

森「お前は世の中のモテない男子を敵に回した…!」

月「え…?」

宮「だからうるせーっての」

森「あいたっ」

黛「おい、エンディングに入れって指示が入ったんだが」

宮「ほんとだ。運命厨のせいで見逃すところだったぜ」

森「いや、パインが積極的に暴力を振るってただけだと思う」

宮「は?」

森「ナンデモアリマセン」

月「あ、メールが来てるみたいなので読みますね。ZN・ギリギリ〇カップさんから頂きました、ありがとうございます!えーっと……『柏餅を作り過ぎたので皆さんで食べて下さい。何故かウチの部員一同、食べた後の記憶が無いので感想もお願いします!』………どうぞ!」

黛「どうぞ!じゃねーよ。食べた後の記憶が無いってどういうことだ…?」

月「ど う ぞ !」

宮「…運命厨は食わねーの?」

森「女性が作った食べ物だ、食してみたいに決まっている!しかし、ラノベと同じく食べた後の記憶がないというのに引っ掛かりを覚えるんだ」

月「でも、見た目は普通ですよ!」

黛「見た目はってなんだ、見た目はって」

月「味も普通…な、時もありますから大丈夫です、たぶん。ただ食べた後にちょっと、その…記憶がなくなるだけですから」

宮「いやそこが問題だろ」

月「可愛い女の子が一所懸命作った柏餅ですよ!だからぐいっと一飲みで…!」

宮「咀嚼させろや!」

黛「ツッコミ所はそこじゃーねから」

森「よし、分かった!!!」

宮「運命厨?」

森「柏餅で乾杯だ…!」

宮「何一つ分かってねーじゃん!!」

黛「なあ、運命厨。今回ばかりは独り占めしてもいいんだぞ」

森「どうしたんだラノベ、今だけ優しいな。確かに可愛い女の子のからの差し入れを独り占めしたい気持ちもあるが、今日はみんなと分け合って食べたい気分なんだよ。だから、柏餅で乾杯しようぜっ」

月「オレはこの前食べたので、どうぞ三人で食べて下さい!」

宮「なに言ってんだよ、一蓮托生だぜ」

黛「オレ達四人で残メンカルテットだろ」

森「だから、ネタ帳も。な?」

月「…っオレ、オレに二回も川の向こう側から手を振るおばあちゃんを見に行けって言うんですか…?!そんな経験一回で満足なのに、ヒドいです…!」

黛「用事思い出した帰る!!!!」

宮「まてまてまて…!!なに一人で帰ろうとしてんだよマジふざけんな!」

森「逃がさん!逃がさんぞ!!」

黛「はーなーせー!!!」

月「もしかしたら皆さんの会いたい人に会えちゃうかもしれませんよ…!」

宮「なに?」
黛「なに?」
森「なに?」

宮「みゆみゆに…?」

黛「鏡夜に…?」

森「可愛い女の子に…?」

月「そ、そうです!会いたい人に会えるかもしれないです、確証はないですけど」

森「オレは覚悟を決める!」

宮「みゆみゆの為、みゆみゆの為…」

黛「待ってろオレの嫁……」

月「……あの、やっぱり止めた方が」

森「いただきますっ」
宮「いただきますっ」
黛「いただきますっ」

月「景気よく乾杯したあと食べ……やっぱり倒れたああああああああ!!!!!」


【パイン、運命厨、ラノベが復活するまでしばらくお待ち下さい】


森「南国の島に行って水着の美女と追いかけっこしてたのになんで起こすんだ!」

月「それ追いかけちゃダメなやつです」

宮「向こう岸からみゆみゆの声がしてさ、オレのこと呼んでたんだよ」

月「それ返事しちゃダメなやつです」

黛「鏡夜を川に探しに行こうとしてた」

月「それ探しちゃダメなやつです」

森「愛情もこもってて、味も悪くなかったのにどうして……」

月「世の中には知らなくていいこともあるんですよ」

宮「その言い方なんかこえーから止めろよ…」

黛「という訳でそろそろ終わりの時間だ。最後は運命厨、これを読んでくれ」

森「感想の他にも“残メンQ&Aのコーナー”への質問や悩み、オレ達への無茶ぶりや“一言物申し隊”へのメッセージも随時募集しているぞ。全ての宛先はコメント欄まで」

宮「お前らからのご応募、」

全『待ってまーす』

月「という訳で、今回のお相手は」

宮「みゆみゆ命・パインと」

森「女の子命・運命厨と」

黛「二次元命・ラノベと」

月「ダジャレ命・ネタ帳でした」


全『次回も残念なラジオがやって来る?』


森「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りしました」


\超次元柏餅ってあれの事を言うんだな/
\ネタ帳達って頻繁に食ってんだろ/
\すごいよな/




 こうして四つのイラストが描かれた真っ白な画面は黒い画面に切り替わり、停止した。
 どうやら放送は終わったようだ。
 そして、このハチャメチャラジオは次回もあるらしい。

続く...






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