第十二回 オネェ、来る

 これはRZ高校のA氏が企画立案、プロデュースし、9696動画に投稿された作品である。
 作品を再生すれば、真っ白の画面に運命と達筆な手書き文字が書かれた青い男性用マークとネタ帳の絵、パイナップルの絵、目だけ黒くした某ラノベキャラ、そしてタロットカードが映し出された。
 しばらくするとアップテンポの明るい曲が流れ始め、音源を示すかのように各イラストの上には文字が記されていく。

 そして、某ラノベキャラの上に「帰る」と言う文字が書かれ、それは始まった。



【ラジオ・残メンカルテット(第十二回)】


ラノベ(以下黛)「オレは帰るっ」

ネタ帳(以下月)「ダメです!」

運命厨(以下森)「まーた始まったよ」

パイン(以下宮)「ラノベの我が儘」

オネェ(以下実)「あら、可愛いじゃない」

黛「 」

森「という訳で今回のゲストはラノベの後輩であるオネェだ」

実「うふふ、来ちゃった…!」

黛「オレ、オマエ、シラナイ」

月「片言だ…」

実「シャイボーイなところも可愛くて、好・き・よ!きゃっ、言っちゃったわ!」

黛「止めろ。気持ち悪い」

森「マジレスだ…」

宮「シャイボーイとオネェはほっといて、前回のゲストの大家族からメールが届いてっから…ネタ帳、読んでくれ」

月「?…分かりました。『前回はゲストに呼んでくださってありがとうございます。とても楽しかったです。ラノベさんの誕生日ケーキなのに頂いてしまって申し訳なかったですが、弟や妹が喜んでいたので貰って良かったかなと思いました。ほんとにありがとうございました』だそうです」

宮「そんなバカな…」

森「え、どうしたんだ?」

宮「大家族からメールには、顔文字のしょぼんとスタンダード照れ、そして『訳:ファンタスティックサンキュー』としか書いてなかったんだ」

実「えっ」

森「ファッ」

黛「そんなバカな…」

宮「ネタ帳お前まさか、内容を捏造した訳じゃねーよな?」

月「してませんよ!」

森「じゃあ、なんで二つの顔文字とファンタスティックサンキューからあそこまでの内容が出てくるんだ?」

月「なんでも何も、きちんと書いてあるじゃないですか。ここに」

宮「どう見ても顔文字とファンタスティックサンキューしか書いてねーよ」

黛「おい、こいつやべーぞ」

実「ごめんね、ネタ帳ちゃん。ちょっとこれは庇いきれないわ」

月「だってちゃんとここに書いて…」

森「うん、うん。分かったからタイトルコール言おうな。せーの」


全『ラジオ・残メンカルテット!!』

実「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りします」


月「…書いてあるもん」

実「やだ、かわいい…!!」

黛「悶えてるオネェはスルーして、ここでもう一通メールを紹介する」

宮「ZN(残メンネーム)・エレガントヤンキーさんから。あざっす。『日本の春は美しいですね。ネタ帳、こっちは桜の開花が遅いから跳ね虎と一緒に花見に来ないかい?』」

実「これってデートのお誘いかしら?!」

月「いや、デートじゃないぞ。跳ね虎さんも一緒だし」

森「行くのか?」

月「うーん…行きたいのは山々なんですけど、予定が立て込んでてちょっと難しいかと思います。えっと、エレガントヤンキーさん、また誘って貰えたら嬉しいな」

実「このはにかみ笑顔をお見せ出来ないのが残念だわっ」

森「残念なイケメンだけに…?」

宮「『残メンがなんでも答えるよ!“残メンQ&Aのコーナー”!』」

森「スルー良くないっ…!!!」

黛「これはオレ達がお前らから送られてきた質問や悩み、無茶ぶりなどに答えていくというコーナーだ」

森「くそぉ!まずは一通目…!ZN・武将の眼鏡さんから頂きました!あざーっす!!」

宮「あざっす」

黛「あざーす」

月「ありがとございます!」

実「うふふ、ありがとう」

森「『今年のタイガは真田○ということで、皆さんの推し武将は誰ですか?俺は断然ダテ政宗です!!』」

月「武将の無精ひげ!キタコレ!」

宮「オレは断然、みゆみゆだな」

森「それ推しメンだから!!」

月「スルー?!」

宮「しょうがねーだろ、日本史に出てくるような有名所しか知らねーんだから。そういうお前はどうなんだよ運命厨」

森「オレか?オレは井〇直虎だな」

月「井伊〇虎って確か、女城主で有名な人でしたよね」

宮「ああ…」

黛「なるほど…」

実「運命厨さんたら…」

森「やめて!そんな蔑むような目で見ないで!!」

月「オネェは誰かいる?」

実「そうね、誰にしようかしら。イケメンばかりで困っちゃうわ」

黛「おい待てそれ、ゲームのビジュアルじゃねーか。現実の武将はおっさんだぞ」

実「なによ、夢見たっていいじゃない!それに現実の土方歳〇はめちゃくちゃイケメンなのよ!!」

宮「土〇歳三は武将じゃねーし」



+++



「全てに勝つAグループは全て正しい」
「Aグループです」


「赤〇ンガ倉庫裏で待ってますっ」
「KJ高校」



+++



黛「赤レ〇ガ倉庫裏で何する気だよ」

森「オレに聞かれても困る」

宮「引き続きコーナーやんぞ」

実「ZN・紫のまいう棒の人さんから頂きました。うふふ、ありがとう」

森「あざっす」

黛「あざーす」

宮「あざーっす」

月「ありがとうございます!」

実「『桜餅と三色団子どっちが好き〜?』んー、私は桜餅かしら。ネタ帳ちゃんはどっちが好き?」

月「オレも桜餅かな。三色団子も好きだけど」

森「オレは三色団子」

宮「運命厨が三色団子なら、オレは桜餅にする」

黛「じゃあ、オレも桜餅で」

森「お前らそういうところ直した方がいいぞ、マジで!!」

月「続いて、ZN・二人の弟子を持つ師匠さんから頂きました。ありがとうございます!」

実「うふふ、ありがとう」

黛「あざーす」

宮「あざーっす」

森「あざっす」

月「えーと……『お前ら女子にモテたいんだろ?それなら本気の口説き文句の1つでも言ってみろ。んじゃ、パイン…だっけ?お前からだ!無茶ぶりコーナーによろしくな♪』……」

宮「あーっと、まだおは朝は神の信託さんのラッキーアイテム紹介してなかったぜはやくショウカイシナイトナー…」

森「今日は屁クソ葛ダッタノカー」

黛「…ヘエ」

月「クサソウデスネ…」

実「ちょっとちょっと!なんで言わないのよ口説き文句…!」

宮「オレは別に女子にモテたい訳じゃねーから!てかなんでオレからなんだよ轢くぞ!!」

黛「モテたいのは運命厨だけだろ」

森「確かにモテたいけども…!」

実「全員言えばいいじゃない、私に向かってっ!!声高らかに!!!」

月「なんで?!」

実「ゲストだからよ!」

月「そうだった…」

森「ん?カンペだ。なになに…『プレゼントを用意しているので一位目指して頑張って下さい』…プレゼント?!」

宮「ハッ、プレゼントに釣られると思うなよ…みゆみゆの激レアスペシャルガード」

黛「プレゼントに釣られるような人間じゃないんでね…鏡夜の非売品ポスター」

月「パインさんもラノベさんもプレゼントに釣られてるじゃないですか…超人気店の販売数限定100個のコーヒーゼリー」

森「全くしょうがない奴らだな…美人スタッフさんのアドレス」

実「なんて欲望に忠実なのかしら…。なんだか複雑な気分だけど、いいわ。パインさんから言ってちょうだい」

宮「ッ…、初めて自分から告白したいと思うくらい好きになった。オレと付き合ってくれ」

実「イケメンから言われるとキュンとしちゃうわね!次、運命厨さんっ」

森「任せろ。ンンッ…、もし300回記憶喪失になっても、300回君に恋をするだろう。なぜなら、オレと君は運命の赤い糸で結ばれているから。だから付き合おう」

実「うふふ、さすが運命厨さんね。次、ラノベさん」

黛「こんなにも心ひかれるとは、初めて会ったときには思わなかった。好きだ」

実「ドキドキしちゃった!じゃあ、最後はネタ帳ちゃん」

月「なあ、オネェ。オレの目を見て、『好き』って十回言ってくれないか」

実「分かったわ。好き、好き、すきすきすきすきすきすきすき…好き!」

月「ありがとう。オレも好きだよ」

実「きゃああああかわいいいいいいいいいいいいい!!!!ネタ帳ちゃん一位よ!」

宮「えっ」
森「えっ」
黛「えっ」

月「やった!コーヒーゼリー!!!」

森「ちょっと待った…!なんでネタ帳が一位か、きちんと説明して貰おうか」

実「だって、恥じらう姿が食べちゃいたいくらい可愛かったんですもの」

月「ヒッ」

黛「ネタ帳が生まれたての小鹿みたいになってるぞ。誰か助けてやれよ」

宮「無理だな。勝てる気がしねーもん」

月「んな殺生な…!!」

森「ネタ帳、お前のことは忘れない」

実「あら、パインさんとラノベさんはイケメン過ぎてうっかり孕むんじゃないかってぐらいキュンキュンしてたわよ」

宮「 」
黛「 」

実「まあ、運命厨さんは噂に違わずって感じだったけど」

森「それどういう意味?!!」

宮「残念って意味」

森「 」

月「元気出して下さい運命厨さん」

実「ふふっ!こんなに楽しいラジオなら、ずーっとゲストでいたいわ」

黛「それ、ただのレギュラーだから」

宮「新レギュラーの予定もねーから」

実「前々から思ってたけど、ラノベさん達って仲良いわよね。妬けちゃう」

宮「仲良くないっ」
黛「仲良くないっ」
森「仲良くないっ」

実「あらあら」

月「三人共ツンデレなんだよ」

宮「ツンデレじゃねーよ」

月「あいてててっ」

黛「パインはツンデレじゃなくてツンギレだからな」

宮「あ?」

黛「ん?」

月「二人共落ち着いて下さい!睨み合うのは止めましょ…ハッ、ニラを睨む!キッタコレ」

宮「黙れネタ帳」
黛「黙れネタ帳」

月「 」

森「と、オチも付いたところでそろそろ終わりの時間だな。それじゃあ最後にオネェ、これを読んでくれ」

実「了解よ。感想の他にも“残メンQ&Aのコーナー”への質問や悩み、先輩方やネタ帳ちゃんへの無茶ぶりや“一言物申し隊”へのメッセージも随時募集しているわ。全ての宛先はコメント欄にねっ」

月「皆さんからのご応募、」

全『待ってまーす』

宮「という訳で、今回のお相手は」

実「イケメン命・オネェと」

宮「みゆみゆ命・パインと」

森「女の子命・運命厨と」

黛「二次元命・ラノベと」

月「ダジャレ命・ネタ帳でした」


全『次回も残念なラジオがやって来る?』


黛「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りしました」


\ううっ…パインさんもラノベさんもひどい…/
\元気出せよネタ帳/




 こうして五つのイラストが描かれた真っ白な画面は黒い画面に切り替わり、停止した。
 どうやら放送は終わったようだ。
 そして、このハチャメチャラジオは次回もあるらしい。

続く...






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