第十回 記念すべき二桁
これはRZ高校のA氏が企画立案、プロデュースし、9696動画に投稿された作品である。
作品を再生すれば、真っ白の画面に運命と達筆な手書き文字が書かれた青い男性用マークとネタ帳の絵、パイナップルの絵、目だけ黒くした某ラノベキャラ、そして虹色のリストバンドが映し出された。
しばらくするとアップテンポの明るい曲が流れ始め、音源を示すかのように各イラストの上には文字が記されていく。
そして、ネタ帳の上に「記念すべき」と言う文字が書かれ、それは始まった。
【ラジオ・残メンカルテット(第十回)】
ネタ帳(以下月)「十回目です」
運命厨(以下森)「二桁だな」
ラノベ(以下黛)「そうだな」
パイン(以下宮)「わあ、嬉しい」
空手家(以下虹)「………」
月「そして、ゲストの空手家です!」
虹「ど、どうも」
森「よく来たな。思う存分、楽しんでいくといいぞ」
虹「はあ、よろしくお願いします。えっと、なんか聞いてた感じと違うっすね」
宮「何がだ?」
虹「全体的に、こう……弾けてると思ってたんですけど大人しいなーって」
黛「お前の気のせいだ」
虹「っ……マジか」
月「どうした?」
虹「聞いちゃいたけど、バニラと影の薄さがほんと似てっからびっくりして。眼力は全然ちげーけど」
森「ラノベは常に目が死んでるからな」
黛「誉めるなよ」
森「肩パンいた…っ!!!」
宮「とりあえず、タイトルコール」
月「せーのっ」
全『ラジオ・残メンカルテット!!』
虹「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りします」
森「早速、久し振りのこのコーナーから!『残メンがなんでも答えるよ!“残メンQ&Aのコーナー”!』バレンタインスペシャル!!」
月「これはオレ達が皆さんから送られてきた質問や悩み、無茶ぶりなどに答えていくというコーナーです」
宮「ちょっと待て。バレンタインスペシャルってなんだ」
黛「言葉通りの意味だろ」
森「全くパインは揚げ足取りだな」
宮「お前らに言われたくねーよ、轢くぞ」
虹「……いいのか?」
月「いつものことだから気にしないで。えっと……これ!読んでくれないか?」
虹「おう。あー、ZN(残メンネーム)・黄色い犬さんから頂きました。なんか元後輩思い出すZNだわ、ありがとな」
宮「あざっす」
黛「あざーす」
森「あざーっす」
月「ありがとうございます」
虹「『毎年チョコを食べ切れなくて困ってるっス。どうすれば良いっスかね?』」
森「黄色い犬と言ったか?いやこの際、黄色い駄犬と呼ばせて貰おう。黄色い駄犬、お前はオレを怒らせた…!」
虹「?!!」
森「毎年チョコを食べ切れなくて困ってるだと?!可愛い女の子から!可愛い女の子から山のように貰ったチョコを最後の最後まできっちり食べないとはどういうことだ…!バカなのか?!お前はバカなのか?!鼻血出すまで食べろよ!漢なら気合いで食べ切れ!!!!!………もしくは、ナイスで超イケてる先輩にお裾分けしろ」
宮「最後のが目的か?」
黛「両方だろうな」
森「うわーん!!オレもドヤ顔で『チョコ食べ切れなくて困ってるんだ』って言いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあああああああいいいいいいい!!!!!!!!!!!」
月「運命厨さん落ち着いて…!」
虹「まあ、なんだ?……食べ物は粗末にするなよ」
月「つ…続いて、ZN・震えるフラグさんから頂きました。ありがとうございます」
黛「あざーす」
森「…あざーっす」
宮「あざっす」
虹「おう、ありがとな」
月「えー…『どうすれば好きな子からチョコを貰えますか?』…だそうです」
森「どうなんだ、パイン」
宮「はあ?なんでオレなんだよ」
黛「どうせ毎年貰ってんだろ」
宮「…みゆみゆからは、貰ってねーよ」
黛「何言ってんだお前………」
宮「ドン引きしてんじゃねーぞ!轢くぞ!そしてチョコの食い過ぎで鼻血出し過ぎてしね!!!!」
黛「生きる」
森「可愛い女の子から貰ったチョコを鼻血出し過ぎるほど食べたい…!」
虹「なあ、これ…」
月「エンジン掛かってきただけだから気にしないで。つか、空手家はどうすれば好きな子から貰えると思う?」
虹「それとなく話を振ってみるとか?」
月「やっぱりそうなるよな。チョコの話をチョコっとしたりとかな!キタコレ!」
虹「えっ」
黛「ギャルゲばりに好感度上げてねーと貰えないだろう。諦めて現実を見ろ」
宮「お前が現実見ろよ」
虹「………あ、ああ、なるほど」
森「ん?どうしたんだ?」
虹「いや、なんでもないっす…。(言えねー、なんで残メンって言われてるか理解出来たなんて絶対言えねー)」
月「震えるフラグさん、まずは好きな子とコミュニケーションを取ることから始めてみたらどうかな?貰えるように頑張れ!」
宮「んじゃ、気を取り直して次。ZN・ピーチ@バニララブさんから頂きました。あざっす」
黛「あざーす」
森「あざーっす」
虹「ありがとな」
月「ありがとうございます」
宮「『チョコは手作り・コンビニ・専門店、どれが良いと思いますか?』だと」
虹「手作りはダメだ!!!!!!」
月「手作りはダメだ!!!!!!」
森「ファッ?!?!!」
宮「なんだ?」
虹「た、確かに端正込めて作った手作りは、い…いいかもしれねーけど、材料費とか時間とか掛かるし申し訳ねーよ。なあ?」
月「そ…そうそう。心がこもってたら、コンビニの五円チョコでも構わないぞ」
虹「女の子から貰えるだけで嬉しいぜ!」
月「そうだな!」
森「なら、手作りでもいいんじゃ」
虹「死にたいんすか?!!」
月「運命厨さん命を大事にして下さい!」
森「は、ハイッ」
黛「前々から思ってたんだが、なんで女子はチョコを渡す癖にお返しはくそ高い物を催促してくるんだ?」
宮「物なら売れるからじゃねーの」
森「女の子はそういう汚いことを考えません!!!!」
黛「お前、夢見過ぎなんだよ」
虹「絶対!絶対手作りはダメだからな!」
月「CMの後もまだまだ続くぞ」
+++
「Aグループは世界一ィィィィイイイ」
「Aグループです」
「天使と」
「一緒に」
「今週も」
「運命について語り合う」
「TK中学校」
+++
宮「運命厨、お前…マジか」
森「違う違う違うちがうちがう違いますううううう!!!!!」
虹「これが噂のCM…」
月「意味分かんないだろ?」
虹「ああ」
黛「ん?…なんか、『一言物申し隊』にもバレンタイン関係のメールが届いてたみたいだから読むぞ。ZN・モアラって言うな!さんからの一言物申したいこと、『チョコが欲しいんじゃー!』」
森「大いに同意するぞ!」
宮「オレはいらねーな」
虹「本命しか貰わねータイプっすか?」
宮「ああ、まあ、そんな感じ」
黛「貰えるなら貰っとけよ」
月「気持ちですし、ね?」
森「分かったぞ!お前らみんなオレの敵だな?!」
虹「みんな貰えそうな顔してますもんね」
黛「いや、オレは貰えない」
森「嘘付け!眼鏡で三つ編みの控え目文学少女から貰ってるんだろ!!きぃーっ!」
宮「妄想が具体的過ぎてキモい」
森「いたっ!!!!」
虹「割と強めに轢くんだな」
月「うん、パインさんスパルタだから」
森「パインのランボー!!」
黛「ぶふっ…パインがランボー…!」
宮「なにふざけたこと言ってんだよ、刈るぞ。ハゲさすぞコラっ」
月「?!!」
虹「?!!」
森「?!!」
黛「?!!」
月「ま、まあまあ!空手家もいますし、とりあえず落ち着きましょう?ほら!ZN・おは朝は神の信託さんからラッキーアイテムの報告メールが届いてますよ!」
宮「知りたくもねーよ」
森「ちなみに今回はなに?」
月「えー………」
虹「ん?」
月「“昔馴染みの先輩の写真”ってことで、合宿中に撮った空手家の写真を持ち歩いているらしい。もし、ゲストに来た場合はよろしく伝えて欲しいとのこと」
虹「…マジか」
森「タイミングいいな」
黛「ああ、そうか。あいつらの先輩だったのか」
虹「皆さんもでしょ」
宮「まあな。一人でも大変だってのに複数人を相手にしてたお前のがすげーよ」
虹「いや、オレは何も。あっ…約一名だけ、きつめの躾はしてましたけどね。つか、全員まとめて向き合ってやれてたら、いろいろこじらせてなかったかもな…とか思いますよ」
宮「あいつら全員、中二半だもんな」
黛「オレのところは完全に患ってる」
森「うちはシャラってるぞ」
月「その辺はさり気なく包み隠してあげましょうよ。あいつらの名誉の為にも」
虹「え、そんなに酷いのか?」
黛「ああ」
虹「うわー…なんかすんません」
宮「空手家が謝ることじゃねーよ。本人の性格の問題だからな」
森「あ、思い出してる思い出してる」
黛「相変わらず凶悪な顔だな」
月「しー!運命厨さんもラノベさんもお口チャックですよ!」
宮「……」
森「……」
黛「……」
宮「…今回、運命厨の誕生日だからつって顔面ケーキ用に用意してたケーキ、空手家とネタ帳で食ってくれ」
虹「え?!……え、ぶふっ…」
黛「運命厨の顔面に潰されるよりは遥かにマシだろ。だから、遠慮せずに食べろ」
月「いや、でも、悪いですよ」
森「空手家も言っていただろう。食べ物は粗末にするなってさ。だから、な?」
虹「わ、わか…っ、りました…」
森「さあ、一思いに!」
月「運命厨さんっ…!」
虹「誕生日おめでとうございます!!」
森「あぶふぁっ!!!!!……」
黛「…………くっ」
虹「ふはっ、はははっ!!」
月「っ、ふふっ」
宮「やべ、腹筋つるっ」
森「前振り有りで顔面ケーキ食らうとは思いもしなかったよ!!!来月のラノベの誕生日も顔面ケーキはやるよな?なっ?!」
黛「遠慮する」
宮「とりあえず、拭けよ。生クリームくせーし」
森「誰のせいだと…!」
虹「もしかして、誰かしらの誕生日の時はこんなことしてんのか?」
月「ああ、この番組の恒例行事になりつつある」
黛「空手家もやってみるか?」
虹「遠慮します」
宮「お、もう終わりか。んじゃ、最後にこれ読んでくれ」
虹「っす。感想の他にも“残メンQ&Aのコーナー”への質問や悩み、先輩方やネタ帳への無茶ぶりや“一言物申し隊”へのメッセージも随時募集しています。全ての宛先はコメント欄まで」
森「特に女の子からのご応募、」
全『待ってまーす』
月「という訳で、今回のお相手は」
虹「家族命・空手家と」
宮「みゆみゆ命・パインと」
森「女の子命・運命厨と」
黛「二次元命・ラノベと」
月「ダジャレ命・ネタ帳でした」
全『次回も残念なラジオがやって来る?』
黛「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りしました」
\次は一周年だな/
\ラノベさんの誕生日もありますね/
\嬉しくない…/
こうして五つのイラストが描かれた真っ白な画面は黒い画面に切り替わり、停止した。
どうやら放送は終わったようだ。
そして、このハチャメチャラジオは次回もあるらしい。
続く...
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