第九回 レインボー

 これはRZ高校のA氏が企画立案、プロデュースし、9696動画に投稿された作品である。
 作品を再生すれば、真っ白の画面に運命と達筆な手書き文字が書かれた青い男性用マークとネタ帳の絵、パイナップルの絵、目だけ黒くした某ラノベキャラが映し出された。
 しばらくするとアップテンポの明るい曲が流れ始め、音源を示すかのように各イラストの上には文字が記されていく。

 そして、某ラノベキャラの上に「新年」と言う文字が書かれ、それは始まった。



【ラジオ・残メンカルテット(第九回)】


ラノベ(以下黛)「あけまして」

パイン(以下宮)「おめでとう」

ネタ帳(以下月)「ございます」

運命厨(以下森)「あれっ?!!」

宮「年明け早々うっせーぞ運命厨」

森「ああ、すまない。…って違う!!」

黛「違うって何がだ?」

森「いや、おかしいだろ!オレだけハブっておかしいだろ!オレ、新年の挨拶出来なかったんだけども…!?」

月「すいません、一文字だけでも残しておくべきでしたね」

森「その気遣いが今はツラい……」

宮「なんなのお前」

森「そっくりそのままお返しする!」

黛「ハイハイ、じゃあほら。心置きなく、気の済むまで新年の挨拶をすればいい」

森「一人は嫌だ…!」

宮「チッ」

黛「(めんどくせーな)」

月「えっと…」

森「ひどい!運命厨泣いちゃう…!」

宮「んじゃ、タイトルコールいくか」

黛「そうだな」

森「 」

月「あ、あの運命厨さん!可愛い女の子じゃないですけど、オレの胸で良ければ使って下さい。なーんてじょうだ」

森「ネタ帳……!」

宮「あ」
黛「あ」

森「どこかの奴らと違って、お前は優しいな!オレはその気持ちだけで胸が一杯だ…。という訳でしばらくの間、ネタ帳の胸を借りるとするよ。ありがとう」

月「 」

黛「…タイトルコール」


全『ラジオ・残メンカルテット!!』


森「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りします」


宮「え、お前らいつの間に…?」

月「オレが聞きたいです」

黛「じゃあ、運命厨が女子好きからジョブチェンジしたのか?」

宮「マジで?」

月「ちらちら見るの止めて下さい!」

黛「…」

宮「…」

月「現実から目を背けようとしない下さいよ!!ああ、もう、オレなんであんなこと言っちゃったんだろ…」

宮「まあ、なんだ?ドンマイ」

月「 」

森「あれ?なんか知らないうちにオレが可哀想なことになってない?」

黛「それは今更だろ」

森「どういう意味?!!」

月「とりあえず運命厨さんはオレから離れて下さい」

森「え、やだ」

月「は?」

森「 」

宮「おい見たか今の」

黛「ああ」

宮「ネタ帳、すげー真顔だったな」

黛「普段は温厚な奴がああいう顔すると迫力があるな」

月「ひそひそするのも止めて下さい!!普通!普通にお願いします!」

宮「普通ねえ…」

黛「普通……あっ」

月「ラノベさん?」

黛「いや、この前見た夢を思い出してな」

宮「夢?」

森「どんな夢だったんだ?」

黛「レインボーな運命厨がネタ帳を追い掛け回している夢だ」

森「ファッ?!!」
月「ファッ?!!」

宮「お前なんつう夢見てんだよ」

森「っていうかレインボーなオレってなに?!どういうこと?!!」

黛「そのままの意味だ。お前が全身、肌の色までレインボー柄だったんだよ」

森「 」

月「オレ、そんな運命厨さんから追い掛けられたんですか…?うわ………」

森「 」

宮「虫の息だな」

黛「CM挟むか」

月「そうですね」



+++


「精神統一して」
「一発逆転の」
「ホームランを場外目掛けて」
「打てたらいいな!」
「SH高校」


「Aグループは世界一ィィィィイイイ」
「Aグループです」


+++



宮「運命厨のせいで押してるからサクサクいくぞ」

森「オレ、いじられただけなんだが…」

月「体が軽い…!」

黛「CM中に離して貰って良かったな」

月「はいっ」

森「地味に傷付くから笑顔で返事するの止めてくれ」

宮「サクサクいくって言ってるだろうが…!轢くぞっ!!」

森「いたいいたいいたいいたい!!!」

月「最初に言うべきことでしたが、前回はボイコットしてすいませんでした。それでなんと!オレ達の代わりに後輩達がパーソナリティーを勤めてくれたんですよね」

黛「もういっそのこと、あいつらがパーソナリティーになればいいのに…」

月「あはは…、」

宮「んで、あいつらが余計なこと言ったおかげで『お前らすごかったんだ』系のメッセージが多く寄せられた訳だ」

森「オレはなんて罪づくりなイケメンなんだっ…!」

宮「はいはい」
黛「はいはい」

森「フルボッコ過ぎて切ない…!!!」

月「すいません。さっきのことがあるんで、慰めるのはちょっと……」

黛「見放されたな」

森「全オレが泣いた」

宮「マックス鬱陶しい」

森「 」

月「ハッ、ナイター野球を見て泣いたー!キタコレ!」

黛「止めてやれ、運命厨のライフはもうゼロだ」

宮「お前が止めに入るなんて珍しいな」

黛「言いたかっただけだが?」

森「だと思った…!」

月「埒があかないので、ここでお便りを紹介します。ZN(残メンネーム)・おは朝は神の信託さんから頂きました、ありがとうございます!『今日のラッキーアイテムはクイックルワイパー、皆さんの手を煩わせることなく手に入れることが出来ました。ちなみにお世話になっている方に贈り物をすると更に運気が上昇するので皆さんにラッキーアイテムを送ります』」

宮「 」

黛「 」

森「 」

月「呼吸を止めたくなる気持ちも分かります。分かりますが息をして下さっ…くっ、はは!」

宮「おまっ…!笑うな!!」

森「今日は厄日だ…」

黛「自分だけ普通だからって余裕ぶっこきやがって…!」

月「オレが貰ったラッキーアイテムは“ポケットティッシュ”ですからね。パインさんはどんなラッキーアイテムを?」

宮「“一輪車のサドル”だ。なんで自転車じゃなくて一輪車なんだよくそっ!!」

森「お前なら武器に出来そうだけどな」

宮「ハッ…!!」

黛「余計なこと言うなよ運命厨!」

森「しまったあああああああ!!!!」

月「それでラノベさんと運命厨さんは?」

森「オレは、二枚貝の殻だな」

宮「貝くせーな」

森「しょうがないだろ。貝なんだから」

黛「なあ、何か書いてないか?」

月「貝に?」

宮「……」

森「……」

黛「……」

宮「んんっ!こっちは“フ”だな」

黛「こっちは……“タ”だ」

森「“フ”“タ”??」

月「ッ…!!!!この貝、タフガイ!キタコレ!貝だけにタフガイ…どうしよう、面白すぎて腹が捩れるっ!!!!」

宮「 」

森「 」

黛「 」

宮「ここでサドルが生きてくるとはな。叩き割ってやるよ…!」

森「止めて!一応オレのラッキーアイテムだから止めて!」

月「せっかくのダジャレなのに…!!!」

黛「くっそワロタ」

森「真顔!」
月「棒読み!」
宮「目が死んでる!」

黛「それは今更だ、ボーイズ」

月「ハッ、ボーイがラジオをボイコット!キタコレ!」

宮「ネーターちょーう!!!!」

月「うわわっ…!!パインさん止めて下さいそれは痛いですって止めて下さい落ち着いてサドル下ろして!!!!!」

森「ぎゃあああああサドル振り回すなバカああああああああああああああ!!!」


【パインが静まるまで、しばらくお待ち下さい】


月「死ぬかと思った……」

宮「自業自得だろ」

森「それで、ラノベのは…ぶふっ」

黛「なんだ?何が面白いんだ??言ってみろよ。“キリンの角のカチューシャ”の何が面白いか言ってみろ」

宮「“キリンの角のカチューシャ”自体は何も面白くねーけど、それつけた決まらないお前の姿を想像したら面白いぞ」

森「だからほら、付けてみろよ」

黛「いやだ」

月「ラノベさんお願いします」

黛「いやだ。スベりそうだからいやだ」

宮「世の中にはスベり芸なるものがあるんだぜ。それにさ、これをつけてこそのパーソナリティーだと思わねーか?」

黛「パーソナリティー関係ねーし」

森「そういえば、前に言ってたよなお前。スベり芸極めるってさ」

黛「極めるなんて言ってねーし」

月「スベり芸してお肌スベスベリー!」

黛「お前がスベってる」

月「 」

宮「ちょっと男子ー!あまりの辛辣さにネタ帳固まってんじゃーん!!」

森「謝りなさいよー!そして“キリンの角のカチューシャ”を付けなさいよー!!」

黛「女子の真似やめろ」

月「ううっ、こんなところで“ポケットティッシュ”略してポケティが役にたつなんて……」

宮「泣かしたな」

森「これは付けるしかないな」

月「付けてくれるかな?」

黛「い、いいとも………くそっ、付けてやろうじゃねーか!!どうだ…?!」

宮「うわ………」

森「………っ」

月「…ふっ」

黛「なんか言えよっ…!」

宮「いや、うん。思った以上に普通だったからコメントに困ってよ」

森「見事にスベったな」

黛「お前らのおかげでな」

月「よくよく考えたら、これ新年一発目なんですよね。各コーナーをせずに喋ってただけなんですが、大丈夫なんですか?」

森「大丈夫ってことにしとこう」

宮「つか、今回が九回目じゃん。ってことは次回が放送十回目になる訳じゃん」

黛「あ」
森「あ」

月「なんだろう、背筋が薄ら寒い…」

森「か、考え過ぎじゃないか?」

黛「そうだな、放送が十回目に到達したからって何かあるとは限らない」

宮「そういや運命厨の誕生日来月、」

森「あっ」

黛「いや、いや。何もしないだろ」

森「やっても顔面ケーキくらいか」

宮「だよな。考え過ぎか」

月「ですね」

森「あははは」

黛「ははっ」

宮「はっはー」

月「えへへ」

森「じゃあ、最後。ネタ帳よろしく」

月「はい。感想の他にも“残メンQ&Aのコーナー”への質問や悩み、先輩方への無茶ぶりや“一言物申し隊”へのメッセージも随時募集しています。全ての宛先はコメント欄まで」

黛「お前らからのご応募、」

全『待ってまーす』

森「という訳で、今回のお相手は」

宮「みゆみゆ命・パインと」

森「女の子命・運命厨と」

黛「二次元命・ラノベと」

月「ダジャレ命・ネタ帳でした」


全『次回も残念なラジオがやって来る?』


宮「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りしました」


\何もありませんように/
\バッカ、運命厨お前それフラグ!/





 こうして四つのイラストが描かれた真っ白な画面は黒い画面に切り替わり、停止した。
 どうやら放送は終わったようだ。
 そして、このハチャメチャラジオは次回もあるらしい。

続く...






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