第六回 公開録音1

 これはRZ高校のA氏が企画立案、プロデュースし、9696動画に投稿された作品である。
 作品を再生すれば、今回は学校の体育館のような画面に運命と達筆な手書き文字が書かれた青い男性用マークとネタ帳の絵、パイナップルの絵、目だけ黒くした某ラノベキャラが映し出された。
 しばらくするとアップテンポの明るい曲が流れ始め、音源を示すかのように各イラストの上には文字が記されていく。

 そして、青い男性用マークの上に「…」と言う文字が書かれ、それは始まった。



【ラジオ・残メンカルテット(第六回)】


パイン(以下宮)「……」

ラノベ(以下黛)「……」

運命厨(以下森)「……」

ネタ帳(以下月)「あの…、」

森「しっ!喋ったら死ぬぞ!!」

月「それじゃあラジオとして成立しないじゃないですか」

宮「でもよ、目の前の景色を見てると喋りたくなくなるぞ…」

黛「………」

月「ラノベさんも黙々とラノベ読まないで下さいよ」

黛「あっ」

森「っていうか、ネタ帳だって前を向こうとしないよね?」

月「オレは視野が広いので問題ないです」

宮「知ってるか、死なば諸共って言葉を」

月「あだだだだだっ」

森「パイン止めて!今回その子雑に扱うの止めたげて!保護者の方々が射殺さんばかりの目で睨んでるから…!!」

宮「頭掴むぐらい許せよ」

黛「乱暴じゃないパイン……ハッ」

宮「はっはーん、さては喧嘩売ってるんだな?いいぜ、言い値で買ってやるよ」

月「ちょ、ストップ!喧嘩の券買ってからにして下さい!キタコレ!」

宮「………」

黛「………」

森「………」

月「あれ?なんで黙るんですか?!」

宮「じゃあ、タイトルコール」

月「ええっ?!!」

黛「せーの」


全『ラジオ・残メンカルテット!!』


森「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りします」


黛「おいネタ帳、その拗ね顔止めろ」

宮「保護者が荒ぶってるから止めろ」

月「……オレのダジャレ、面白いもん」

森「保護者の方々が一斉にお前から目を逸らしたんだが……」

月「そんなっ…!」

黛「あ、ヤバいな。そろそろ進めないと」

宮「つう訳でネタ帳説明」

月「はい。前回の予告通り、なんと今回は公開録音に来ています!拍手ー」


\パチパチパチパチ!/


黛「またの名を父兄参観」

宮「実はさっきからけたたましい笑い声と野次がすげーのなんの。黙らねーと轢くぞコラ」

月「ふふっ。それで、せっかくの公開録音ということでいつものコーナーはお休みして、特別コーナーを用意しました」

森「嫌な予感がするんだけど」

月「題して、『即興お題でトークしまショウ!』」

黛「うわ………」

宮「…このコーナーは目の前にいるリスナーから即興お題を貰い、四人で軽快なトークを繰り広げるぞ」

森「見て、あの無茶ぶりする気満々の活き活きとした顔を」

黛「最悪だな」

月「早速お題が上がってますが、どうしますか?」

森「あれは?」

宮「あ?」

黛「ネタ帳保護者の会の……あれか?」

森「そうそう」

月「いや、あれは止めましょ?」

宮「えー…ZN(残メンネーム)・震えるフラグさんからの即興お題」

月「えええええっ」

宮「『ネタ帳先輩のデレトーク』」

月「あああああああああっ」

森「あっちの方からラノベとパインもデレトークして欲しいという要望がきてるんだけど、もちろんやるよな?」

宮「そういうお前もきてんぞ」

月「じゃあ、みんなでデレトークを!」

黛「オレはこんな衆人観視の前ではデレないぞ。デレるなら、直接あいつらに言ってやらないこともない」

森「それはツンデレトークな」

宮「お前のツンデレとか誰得だよ」


\オレ達得ー!/
\キャー!ツンデレラノベさんぎゃんかわよー!!/


黛「ぜんっぜん嬉しくない」

月「またまた」

森「そんなこと言っちゃって」

黛「っるせーよ和風美人共」

宮「お前がデレてどうする」

月「えっと、ラノベさんも美人、ですよ」

黛「ネタ帳に照れられたらこっちまで照れるっての」

森「すまないラノベ。オレは女性にしかデレられないんだ」

黛「あ、運命厨のデレは必要ないんで」

森「?!!」

宮「ぶふっ」

森「ちょっ、笑う暇があるならフォローしろよ!」

宮「は?」

森「真顔止めろ下さい……」

黛「で?お前のデレトークは?」

月「えっ、と…やらなきゃダメですか?」

宮「やらなきゃ先に進めねーんだけど」

月「うう……分かりました。あー…んー………っやっぱりダメだ!」

森「早過ぎないかギブアップ」

月「だって、いいところが多過ぎて一言じゃまとめられないんです。それにこんな短い時間じゃ語り尽くせませんよ…!」

黛「語るつもりだったのか?」

月「みんなの良さを知って欲しいと思うのは当然のことです」

宮「もうそれくらいにしてやれよ」

月「え?」

森「ネタ帳保護者の会が嬉しすぎて泣いてる」

月「えっ?!!」

黛「CMの後もまだまだ続く」



+++


「Aグループは世界一ィィィィイイイ」
「Aグループです」


「ライオンが唸るみたいな雷鳴が」
「雲の谷間からコンニチハ」
「ざあっと降り出した雨を見て」
「ん〜、傘持ってきてない!と一言」
「RZ高校」


+++



宮「……どういう状況だ、これ」

黛「突然のゲリラ豪雨」

森「それだ!」

月「最近笑うんじゃなくてツッコんでますよね」

宮「それだけ慣れたってことだろ」

森「なんだかんだでもう六回もやってるからな」

黛「果たして七回目があるのか……」

月「あります」

森「お、ZN・サトリ眼鏡さんからの即興お題『今後のゲストの予定』」

宮「サトリ眼鏡さんだけはぜってー呼ばねーからな!!」


\んな殺生なっ…!/


黛「あれ絶対嘘泣きだな」

森「周りがすごいご機嫌取りしてる」

月「じゃあ皆さんは次のゲスト、誰だと思います?」

黛「今後もゲスト回があるのか?」

月「の予定です」

宮「オレはおは朝は神の信託さんとその下僕とサトリ眼鏡さん以外なら誰でもいい」


\パインさんひでー!!!!/


宮「うるせー轢くぞ!!」

森「なあ、可愛い女の子のゲストは?」

黛「一生来ねーよ」

森「そんな馬鹿な…!」

月「え、そんなバナナ?」

宮「………」

森「………」

黛「………」

月「あれ?」

黛「さて、次は………」

月「スルーするのむぐぐっ」

宮「ちなみにZN・おは朝は神の信託さんの今日のラッキーアイテムは、眼鏡。お、今日は意外と普通で良心的なんだな」

森「これ、次の即興お題な」

黛「ラッキーアイテムは普通だけど、あれはどうなんだ?」

月「……二重眼鏡」

宮「『ノンフレーム眼鏡だと更に運気アップが狙えると言っていたからなのだよ』」

森「え、つまり運気の上乗せ?」

黛「だからって二重眼鏡はちょっとな」

月「でも、ノンフレーム眼鏡には度が入ってないそうですよ」

宮「そういう問題じゃねーよ、埋めるぞ」

森「ってあれ?紙飛行機?」

黛「多分碌でもないことが書いてある」

月「とりあえず中身を確認しま……」

宮「おい………」

森「………」

黛「知ってるか、見た時点でアウトってことを」

月「ざっZN・一生涯オネェさんからの即興お題です。『目の保養に四人でいちゃいちゃしているところが見たいわ』…」

森「オレは男といちゃいちゃするなんてごめんだからな!」

宮「オレだってごめんだ!轢くぞ!!」

森「いだだだだ!!!!」

黛「誰かりんごちゃんの抱き枕持ってきてくれ」

月「すいません、オレが見てしまったばかりに………でも男同士でいちゃいちゃするって何するんですかね?」

宮「話広げんな!」

月「あああすいまあぁああたたたた!!」

黛「そういえば、」

森「ラノベ?」

黛「この前、運命厨とネタ帳のいちゃいちゃしてる本を持ってるところをパインに見られて気まずい夢を見た」

森「ファッ?!」
月「ファッ?!」

黛「オレの夢、現実になんねーかな」

宮「お前、目が死んでんぞ」

黛「元からだ」

森「ちょっ、ちょっと待て!この流れだとオレとネタ帳がいちゃいちゃしなきゃいけないみたいじゃないか…!」

宮「そんなに嫌がんなよ。ネタ帳が可哀想じゃねーか」

森「オレは?!」

月「あ、あの、オレなら大丈夫ですから、気にしないで下さい……」

森「目を逸らすな!」

黛「後輩に気を使わせるとか先輩の風上にもおけないな」

宮「運命厨最低…」

森「いやいやオレが悪いんじゃ……わる………わっ、分かったよ!なに?!ネタ帳といちゃいちゃすればいいの?!抱き締めればいいの?!!こうか?!!」

月「っ」

黛「………」

宮「………」

森「なんか言えよおおおおお!!!!」

月「その、いい香り……しますね」

森「お、おう…」

宮「二人して照れんなよおおおおおお!!!!オレ達まで照れちまうだろうがああああああああああ!!!!!!」

黛「こうしてオレ達四人の泥沼状態の四角関係が始まるのであった……」

宮「始まらねーよ、吊すぞ」

黛「いてっ」

月「……感想の他にも“残メンQ&Aのコーナー”への質問や悩み、オレ達への無茶ぶりや“一言物申したたたたたすっ」

宮「おま、勝手に占めようとすんな!」

月「傷が浅いうちに、こころのきず…」

黛「運命厨のせいか」

宮「運命厨のせいだな」

森「お前らも原因の一端を担ってんだからな!」

黛「ラノベ分かんなーい」

月「どうしたんですかラノベさん。今回はやけにハッスルしてますね」

宮「監視の目があるからだろ」

森「ああ…」

月「それから次回も公開録音だそうです」

宮「マジか……マジかぁ………」

森「うわ………」

黛「………」

月「ラノベさん大丈夫ですか?ますます目が死んでますよ」

黛「元からだ」

宮「んじゃ、最後に。感想の他にも“残メンQ&Aのコーナー”への質問や悩み、オレ達への無茶ぶりや“一言物申し隊”へのメッセージも随時募集してんぞ。全ての宛先はコメント欄まで」

森「特に女性からのご応募、」

全『待ってまーす』

黛「という訳で、今回のお相手は」

宮「みゆみゆ命・パインと」

森「女の子命・運命厨と」

黛「二次元命・ラノベと」

月「ダジャレ命・ネタ帳でした」

全『次回も残念なラジオがやって来る?』


月「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りしました」


\疲れた……/
\お前目が死んでただけじゃねーか/





 こうして四つのイラストが描かれた体育館のような画面は黒い画面に切り替わり、停止した。
 どうやら放送は終わったようだ。
 そして、このハチャメチャラジオは次回もあるらしい。

続く...






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