第五回 んの使い方

 これはRZ高校のA氏が企画立案、プロデュースし、9696動画に投稿された作品である。
 作品を再生すれば、真っ白の画面に運命と達筆な手書き文字が書かれた青い男性用マークとネタ帳の絵、パイナップルの絵、目だけ黒くした某ラノベキャラが映し出された。
 しばらくするとアップテンポの明るい曲が流れ始め、音源を示すかのように各イラストの上には文字が記されていく。

 そして、ネタ帳の上に「最初に」と言う文字が書かれ、それは始まった。



【ラジオ・残メンカルテット(第五回)】


ネタ帳(以下月)「メールを紹介します」

パイン(以下宮)「いきなりかよ」

ラノベ(以下黛)「新しい始まり方だな」

運命厨(以下森)「そうだな」

月「前回ゲストに来てくれたバニラからです。ありがとう、バニラ!えっと、『前回、ゲストに呼んで頂きありがとうございました。とても楽しかったです。また呼んで下さい。それとパインさん、運命厨さん、ラノベさん、ネタ帳先輩に何かしたらSR総出で息の根を止めに伺いますのでそのつもりでいて下さい』……バニラ、」

森「感動してるところ悪いけどなんか腑に落ちないメッセージだよなこれ」

宮「なんでんな事言われなきゃなんねーんだよ、轢くぞ」

黛「何を言ってるんだお前らは。そんなの日頃の行いが悪いからに決まってるだろ」

宮「お前の名前も入ってたからな。見事なブーメランだからな」

黛「何の事やらさっぱりだ」

森「うっわなんて白々しい」

月「すいません、うちの後輩って先輩思いのいい子ばっかりだから」

宮「くそっネタ帳にあるまじきツヤテカした笑顔晒しやがって…!埋めるぞ!」

森「ダジャレ言った時と同じくらいのいい笑顔だね」

黛「ネタ帳がデレた、だと?」

月「後輩になら幾らでもデレます」

森「オレ達には?」

月「え?」

森「オレ達先輩にはデレてくれないの?」

宮「どうなんだよネタ帳」

月「えっ、いや、だって、ほら……なんか、恥ずかしいじゃないですかっ」

黛「 」

宮「 」

森「 」


【ラノベ、パイン、運命厨が身悶えています。しばらくお待ち下さい】


森「いじらしいと思うのは可愛い女の子だけでいいと思っていたのに……!」

黛「何が悲しくて男の上目遣いに萌えなければならないんだ……」

宮「お前どこぞのアイドルよりあざとい」

月「なんだこの貶されてるのかそうじゃないのか分からない発言の数々は」

黛「オレ達の傷が浅いうちにさっさとタイトルコールいってくれ」


全『ラジオ・残メンカルテット!!』


月「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りします」


森「ラノベがやる気だ…!」

宮「今日、槍でも降るんじゃねーか?」

月「ハッ!フルーティーなフルーツが降る、キタコレ!」

黛「お前達が脱線しているからオレが軌道修正をしているまでだ」

月「オレは面白いダジャレを言ってるだけです!脱線なんてしてません」

宮「は?」

月「え?」

森「ネタ帳のダジャレが面白いかはさて置いて、さっくとコーナーにいくぞ。“一言物申し隊”!」

黛「このコーナーでは、リスナーの皆さんから送られてきた心の内に秘めた一言物申したいことを紹介していくぞ」

宮「んじゃ早速。ZN(残メンネーム)・つぼつぼさんの一言物申したいこと。『今度編みぐるみを作ろうと思っている』」

黛「そうか」

森「編みぐるみを作れる男子はモテるだろうか……」

月「手先が器用なんですね」

宮「みゆみゆを頼む」

黛「次だ。ZN・牛丼大好き肉団子さんの一言物申したいこと。『マッスル腹減ったぜ』」

森「何か食べたらいいと思うぞ」

月「牛丼とかどうです?」

宮「敢えての肉団子で」

黛「いいからなんか食ってろ」

森「まだまだいくぞ。ZN・早口ラ行さんの一言物申したいこと。『隣の客はよくきゃこ食うきゃきゅあ!』」

月「早口言葉、ですよねこれ」

黛「言えてないな」

宮「投稿者は文字にするだけなのにな」

森「せっかちなんだよ、多分」

月「続いて、ZN・黄金猫口さんの一言物申したいこと。『猫っぽいって言われてるけどそうでもないと思う』」

黛「なら、まずZNをどうにかしろ」

宮「てか猫…だろ?」

森「違うのか?」

月「オレに振らないで下さいよ」

黛「次は、ZN・ピーチ@バニララブさんの一言物申したいこと。『好きな人が幸せになりますように!で、出来れば一緒に幸せになりたいかな、なんて!きゃー!』」

宮「とうとう願い事が送られて来たな」

森「くそっ、この子には好きな子がいるのかくそっ…!」

月「オレはラノベさんの棒読みのきゃーが気になります」

黛「ネタ帳、あとで一緒に反省会な」

宮「これで最後か?えーっと、ZN・エレガントヤンキーさんからの一言物申したいこと。『先日、寮の壁に穴が空いているという騒ぎがありました。実はあれ、オレがやったんです。目に前髪が入ってなかなか取れなくてイラッとしてつい右手が…。穴も小さめだったし、大丈夫かなと思ったんですがダメでしたね。HAHAHA!』」

森「一言じゃないことにツッコめばいいのか、それとも壁に穴を空けたことにツッコめばいいのか…」

月「笑ってる場合じゃないだろ」

黛「無関係のオレ達をも巻き込んだ大事故じゃねーか」

宮「とりあえず、愛車で轢いとく」

森「出たよ軽トラのミニカー」

月「紙がどんどんぐしゃぐしゃになっていきますね」

黛「…これからもリスナーからの一言物申したいことを随時募集してるからふるってご応募しろください」

森「あ、CMの後もまだまだ続くぞ」



+++


「陽気な仲間」
「嬉しくて楽しい日々」
「世界中探しても」
「ん〜、ここだけ!」
「YS高校」


「Aグループは世界一ィィィィイイイ」
「Aグループです」


+++



宮「んの使い方だろ」

森「んの使い方だな」

黛「んの使い方だよな」

月「んの使い方ですね」

森「満場一致だな」

宮「どうすんだ次回」

月「次回もんがつくところ……ですね」

黛「………」

宮「ラノベが机に突っ伏してる」

黛「とばせないのか?」

森「とばせないだろ。スポンサー的に」

黛「ああぁあぁあああ」

月「いやいや。なんでラノベさんがそんな前後不覚に陥ってるんですか」

黛「出身校が面白おかしく扱われてるといたたまれなくなるだろ、なんとなく」

宮「はっはー、何言ってんだ。お前だけが回避出来ると思うなよ。轢くぞ」

黛「いたっミニカーいたっ」

森「痛いだろそのミニカー」

月「ハッ、このミニカーミニカード付き!キタコレ!」

宮「キてねーよ」

月「あうっ!ついでと言わんばかりに轢かれた…」

森「ところでZN・おは朝は神の神託さんからメールが届いているんだが読むか?」

宮「燃やせ」

森「読むか?」

宮「燃やせ」

森「読むか」

宮「いいから燃やせよ」

森「あだだだだっ」

黛「(見事なアイアンクロー)…ZN・おは朝は神の神託さんから。『今日のラッキーアイテムは猫ちゃんのぬいぐるみだったのだよ。比較的手に入れ易い品物だったので皆さんの手を煩わせることはありません』って数体の猫のぬいぐるみを抱き締めたすごいドヤ顔の写真と共に送られてきたぞ」

宮「だから読むなって言っただろうが!」

黛「燃やせとしか言ってない」

月「あ、この猫のぬいぐるみ可愛い」

森「どれだ?」

月「これです。この白猫の」

森「確かに。愛嬌があって可愛いな」

宮「オッケー、分かった。お前らのイケメンフェイスが台無しになるくらい、パイナップルで殴り続ければいいんだな。やってやるよ任せろ」

森「パインがオレのことイケメンフェイスって言った!!やだ、感動しちゃう!」

月「良かったですね運命厨さん」

黛「お前らって言ってるから、ネタ帳も含まれているぞ」

月「オレも?なんだか照れますね」

宮「誉めてねーよおおおおお!!!!」

森「なんなんだ今日は。先輩カテゴリーの奴は叫ばないとならないのか?」

黛「そういう訳じゃないだろ」

月「あ、なんかブースから指示があるみたいですよ」

宮「んだよ……カンペ?」

森「読むのか?何々…『今回のフラグのコーナー』いや待ってちょっと待て!なんだその明らかに不穏な空気をまとったコーナー名は!怖い!!」

黛「読まない選択肢は……スポンサー的に無理、か。止めろこれ見よがしに『スポンサーの言うことは\ゼッターイ/です』って出すの止めろ」

宮「うわーっオレに読めとかマジふざけんな、読むけど」

月「読むんですか?!」

宮「話が進まねーからな」

森「こういう時だけ真面目ぶっいったぁ!!」

黛「……(運命厨に合掌)」

宮「『次回はなんと公開録音です!やったね!』はあ?!!」

森「あ、今なんか聞いちゃならない言葉が聞こえた気がする」

月「こ、公開録音?」

黛「リスナーの目の前でトークしながらラジオを録音するイベントのことだ」

宮「つまり直に轢ける」

月「つまり直に笑って貰える」

森「つまり直に可愛い女の子と会える」

黛「つまり直にみう」


【ラノベに説教中です。しばらくお待ち下さい】


黛「どう考えても大事故が起こるに決まっている。まだゲストの方がマシだ」

森「そんな事言ってるとこの前みたいにほんとに来ちゃうだろ!」

宮「オレは4人で慎ましくしていたい」

月「オレもです。あ、でもSRのみんなには来て欲しいかな」

黛「ネタ帳がデレた」

宮「待て、最初に言ったのオレ」

森「パインのデレかネタ帳のデレかっていったら、ネタ帳のデレのがいいかな」

宮「ラノベと運命厨はあとで体育館裏な」

黛「断る」
森「断る」

宮「えー、なにー?聞こえなーい」

森「笑顔が怖いと思います!」

黛「なるほど、これがパワハラか」

月「ふふっ、パインさんも運命厨さんもラノベさんもほんとに仲がいいですね」

宮「どこがだ!」
森「どこが?!」
黛「どこが…?」

月「そういうところがです。ほら、最後ですよ。ラノベさん読んで下さい」

黛「ったく……感想の他にも“残メンQ&Aのコーナー”への質問や悩み、オレ達への無茶ぶりや“一言物申し隊”へのメッセージも随時募集しています。全ての宛先はコメント欄まで」

宮「お前らのご応募、」

全『待ってまーす』

月「という訳で、今回のお相手は」

宮「みゆみゆ命・パインと」

森「女の子命・運命厨と」

黛「二次元命・ラノベと」

月「ダジャレ命・ネタ帳でした」

全『次回も残念なラジオがやって来る?』


森「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りしました」


\え、マジでやんの公開録音/
\マジみたいですよ運命厨さん/





 こうして四つのイラストが描かれた白い画面は黒い画面に切り替わり、停止した。
 どうやら放送は終わったようだ。
 そして、このハチャメチャラジオは次回もあるらしい。

続く...






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