第三回 わんぱくタンバリン

 これはRZ高校のA氏が企画立案、プロデュースし、9696動画に投稿された作品である。
 作品を再生すれば、真っ白の画面に運命と達筆な手書き文字が書かれた青い男性用マークとネタ帳の絵、パイナップルの絵、目だけ黒くした某ラノベキャラが映し出された。
 しばらくするとアップテンポの明るい曲が流れ始め、音源を示すかのように各イラストの上には文字が記されていく。

 そして、パイナップルの絵の上に「あのさ、」と言う文字が書かれ、それは始まった。



【ラジオ・残メンカルテット(第三回)】


パイン(以下宮)「昨日、夢見たんだよ」

ラノベ(以下黛)「へえ」

ネタ帳(以下月)「夢、ですか」

運命厨(以下森)「どんな夢だったんだ?」

宮「運命厨がな、シャンシャンシャララシャンシャンシャララってタンバリン鳴らしながらオレの周りをぐるぐる回ってる夢」

月「ふふっ」

黛「………っ」

宮「マジお前シャンシャラシャンシャラうっせーんだよ」

森「それオレのせいじゃないよね?!」

月「夢って深層心理が見せてるって言いますよね」

森「夢占いってのもあるらしいし、夢を侮っちゃいけないぜ」

黛「という訳で番組スタッフがパインの夢を占ってみた」

宮「仕事はえーな」

月「えっと、『タンバリンをたたく夢は、衝撃的な噂を耳にする可能性があるので真実を見極めましょう。その他の場合は嬉しい驚きを意味します』…だそうです」

宮「は、じゃあ、運命厨の衝撃的な噂を耳にするってことか?…めんどくせ」

森「酷い!」

月「補足としては良い音色の楽器の夢は総じて吉夢らしいですよ」

黛「ということは、運命厨の衝撃的な良い噂を耳にするってことになるのか」

宮「どっちにしろオレに何のメリットがあんだよ轢くぞ」

森「オレの衝撃的な良い噂が聞けるんだぞ。それだけでメリットじゃないか」

黛「あ」

月「どうしましたラノベさん」

黛「スタッフがこれを持って来た」

\シャンっ!/

月「タンバリン、ですね」

黛「子供用のな」

森「わんぱくタンバリン……」

宮「おい、せっかくだからお前叩けよ」

森「お、おう…」

\シャンシャンシャララ〜っ!/

宮「……」

月「……」

黛「……」

森「タイトルコール!」


全『ラジオ・残メンカルテット!!』


宮「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りします」


黛「続いては、『残メンが何でも答えるよ!“残メンQ&Aのコーナー”』」

月「ハッ!ここ何のコーナー?粉、キタコレ!」

宮「これはオレ達がリスナーから送られてきた質問や悩み、無茶ぶりなどに答えていくというコーナーだ。んじゃ早速、一通目のメールから読んでいくぞ」

月「スルッとスルーはよくない……」

森「ZN(残メンネーム)・黄色い犬さんから頂きました。あざーっす」

宮「あざーす」

黛「あざっす」

月「…ありがとうございます」

森「えー、『わんわんおわんわんお!』」

月「??」

黛「何語だ?」

森「犬語?」

宮「誰も解読……出来ねー、よな」

森「あ、二枚目がある。ZN・完全無欠の美形(パーフェクトイケメン)さんから」

黛「あざっす」

宮「あざーす」

月「ありがとうございます」

森「あざーっす。で、えっと『さっきのは無し!無しで!もうヒドいんスよー、●●っちにラジオで採用されないーって言ったらさっきのふざけたメッセージ送ってさ!オレに変なイメージついたらどう責任とって貰えるんスかね全く!そう思いません?あ、そうそう聞いて下さいよ!今日〇〇っちに会ってー!結構時間に余裕会ったから某ファーストフード店でデートしたんスよ!めっちゃ楽しくてずっとこの時間が続けばなーって思ったっス。でもほんとかっこよかったなー〇〇っち』だそうだ」

宮「は?何、報告?報告がしたかったのコイツ…あーっと……犬さんは」

月「犬……完全無欠の美形(パーフェクトイケメン)さんじゃないんですか?」

黛「そう呼ぶのってなんか癪に障る」

森「分かる分かる。なんか犬って言った方がしっくりくるっていうか、な。まあぶっちゃけ完全無欠の美形(パーフェクトイケメン)って呼びたくないだけなんだが」

月「それは幾ら何でも可哀想ですよ」

宮「じゃあ、ネタ帳はなんて呼ぶんだ?」

月「オレは……その、」

森「ん?」

月「き………黄色…さん」

黛「黄色…」

森「次回からZN・完全無欠の美形(パーフェクトイケメン)さんは黄色い犬で投稿して下さい」

月「あ、ちょっ!」

黛「次な。ZN・HIDEKI-KANGEKIさんから頂きました。あざっす」

森「あざーっす」

月「ありがとうございます」

宮「あざーす」

黛「『後輩の髪型が奇抜過ぎるし、素行が悪いしで普通に話をしていてもカツアゲされた気分になるんだが、どうしたらいい?あと安くて美味しいステーキが食べられるお店を教えてくれ(重要)』」

森「後半っ…!後半っ…!!」

宮「後輩の髪型もうあれだ、引っこ抜いて去勢するぐらいの勢いでやらねぇとダメだな。上下関係の厳しさ教えてやれよ」

黛「これだから体育会系は…」

宮「お前だって体育会系だろうが!」

森「問題は安くて美味しいステーキがあるお店だよなー。どこか知ってる?」

月「あ、それなら知ってますよ」

宮「マジで?」

月「はい。お店の名前はうろ覚えなんで言うのは控えますけど、確か超ボリューム4sスーパー盛盛ステーキ!が食べられた筈ですよ」

黛「4s……うぷっ…」

森「ラノベの顔色が青白くなった…」

宮「で、値段は?」

月「30分以内に食べきれたら無料になります」

森「おお!制限時間はあるがなかなか安いんじゃないか?」

月「ただ、失敗したら全額自腹一万円ですけどね………」

宮「 」

森「 」

黛「……うっ」

月「オレも思い出したら、胸焼けが……」

森「大丈夫か二人ともー!」

宮「CM!一旦CM挟め!」



+++


「白い綿毛さんはどこから来るの?」
「ゆっくりとそよ風さんが運んで来るの」
「美しい小鳥さんたちの声に誘われて」
「遠くから王子さまと共に来るんだわ」
「くまさんとお茶会しながら待ってよう」
「ST高校」

「Aグループは世界一ィィィィイイイ」
「Aグループです」


+++



宮「 」

黛「 」

森「 」

月「 」


【腹筋崩壊しました。しばらくお待ち下さい】


黛「前回言ったよな?CM後に何やるかスタッフが決めろって言ったよな?」

宮「なんで今回ポエム調なんだよ!やったらメルヘンじゃねぇか!縛るぞ!」

森「おいパイン、軽トラのミニカー握りすぎてミシミシいってるぞ!」

月「オレ達いつになったらCMの呪いから解放されるんでしょうか、ハッ!のろい呪い……キテない、か」

黛「いやいつもキテないから」

月「じゃ、じゃあ……」

宮「無理して考えんでいい」

月「そんなっ…!オレからダジャレを取ったら何が残るっていうんですか?!」

森「イケメンだろ…」

月「?!!」

黛「…(すげー悔しそうだな運命厨。ネタ帳も信じられないって顔してんなよ)」

宮「ところで今回もZN・おは朝は神の信託さんから例によってラッキーアイテムについてのメールが届いてんだけどよ」

森「へえ、驚きの採用率だな」

月「すごいですね」

黛「で、今回はなんて?」

宮「…今回はな、本人も来てる」

森「はぁ?!!」

月「……ほんとだ、いる」

黛「コネか」

森「おま、それ、言ったらダメな奴だ」

月「で、おは朝は神の信託さんの今日のラッキーアイテムって何なんですか?」

宮「『ラジオブース』らしい」

森「部屋?!それもうラッキーアイテムじゃねーよ!ラッキープレイスだよ!」

黛「もしかしてこいつ今日一日ここで過ごすってことか?」

月「あ、頷いてる」

森「!!なんでブースの端っこにグーリンのシートが無造作に置かれてんのかなと思ってたけど、そうかこいつ隠す為か!」

宮「スタッフ軽トラで轢くぞ」

月「落ち着いて、せめてラジオが終わってからにして下さい!」

黛「ゲストフラグが乱立していく…」

森「と、とりあえず落ち着くこうぜ」


【みんなで深呼吸しています。しばらくお待ち下さい】


月「という訳でエンディングです」

宮「ブース内に人増えてんだけど…」

森「彼が例の下僕かな。うん、納得だ」

黛「こういう場合、一人より二人が安全だししょうがないよな」

宮「お前らゲストフラグ忘れんなよ?」

森「うわ………」

黛「妖怪サトリだけはぜってーヤだ」

宮「分かる分かる」

月「乗っ取られそうですよね」

森「まあ確かに何らかの出来事はあるだろうな」

黛「このラジオ、毎回さらっとなんか起こってるけどな」

宮「お前それ言うなよ」

月「ところで運命厨さんの良い噂ってどうなったんですか?オレはてっきりコーナー中に言うものだとばかり思ってたんですけど」

森「あ!」

宮「あ?」

黛「ああ、そういやしたなそんな話」

森「待って待て、まだ心の準備が…」

月「いやだから、どうなったのかを聞いてるんですけど。運命厨さんの心の準備とか別にどうでもいいですから教えて下さい」

宮「……届いてないみたいだな」

月「じゃあ、募集ですね」

黛「次回のOPで結果報告ってことか」

森「営業妨害になるような噂は止めろよ!あくまでもいい噂だからな!」

宮「話も上手くまとまったし、ネタ帳最後よろしく」

月「はい。感想の他にも“残メンQ&Aのコーナー”への質問や悩み、オレ達への無茶ぶりや“一言物申し隊”へのメッセージも随時募集しています。そして今回は運命厨さんの良い噂も募集していますよ。全ての宛先はコメント欄まで」

黛「皆さんのご応募、」

全『待ってまーす』

森「という訳で、今回のお相手は」

宮「みゆみゆ命・パインと」

森「女の子命・運命厨と」

黛「二次元命・ラノベと」

月「ダジャレ命・ネタ帳でした」

全『次回も残念なラジオがやって来る?』


宮「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りしました」


\今日はあまりダジャレが言えなかった/
\オレも軽トラで引いてねぇわ/





 こうして四つのイラストが描かれた白い画面は黒い画面に切り替わり、停止した。
 どうやら放送は終わったようだ。
 そして、このハチャメチャラジオは次回もあるらしい。

続く...






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