第二回 ハシビロコウ
これはRZ高校のA氏が企画立案、プロデュースし、9696動画に投稿された作品である。
作品を再生すれば、真っ白の画面に運命と達筆な手書き文字が書かれた青い男性用マークとネタ帳の絵、パイナップルの絵、目だけ黒くした某ラノベキャラが映し出された。
しばらくするとアップテンポの明るい曲が流れ始め、音源を示すかのように各イラストの上には文字が記されていく。
そして、青い男性用マークの絵の上に「そういえばさ、」と言う文字が書かれ、それは始まった。
【ラジオ・残メンカルテット(第二回)】
パイン(以下宮)「タイトルコール!」
運命厨(以下森)「えっ?!」
ネタ帳(以下月)「せーの」
全『ラジオ・残メンカルテット!!』
ラノベ(以下黛)「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りします」
森「なぜ言わせない…!」
宮「お前のナンパで全敗した話とか一切聞きたくねぇもん」
森「ほ、他の話かも知れないだろ…」
黛「それで結局、何の話だったんだ?」
森「…………………ナンパで全敗した話」
宮「ほらな!ほらな!!」
黛「安定過ぎて言葉も出ないな」
月「ハッ、難破船の見える海岸ではもうナンパせん!キタコレ!」
森「今に見てろよ!次はぜっっったいにナンパを成功させてみせるからな!」
黛「はいはい、頑張れ頑張れ」
宮「話もまとまったところで次いくか」
月「そうですね。という訳で新コーナー、“一言物申し隊”!」
\二回目にして新コーナーかよ!/
\嫌な予感がするんだが…/
\運命厨に同意/
月「このコーナーでは、リスナーの皆さんから送られてきた心の内に秘めた一言物申したいことを紹介していきます」
黛「んじゃ早速。ZN(残メンネーム)・轟音雷獣さんの一言物申したいこと。『オレ、ポケ〇ンじゃないんだけど!』」
森「何が不満なんだ?」
宮「モンスターボールでも投げられてんじゃねぇの」
月「それか、いつ進化するのか聞かれたりするんじゃないですかね」
黛「多分そのどっちもだろ」
森「次いくぞ。ZN・早口ラ行さんの一言物申したいこと。『なもぎなまご・なまだご!』」
宮「え、なんて?」
月「なもぎ……なもぎ…?」
森「…もしかして、生麦生米生卵?」
黛「なんだ、ただの早口言葉か」
宮「さくさくいくぜ。ZN・あなたの町の八百屋さんの一言物申したいこと。『今日の目玉商品・新玉ねぎ1個11円』」
月「これ、税抜き価格だと思います?」
宮「あー…多分」
森「それでも安いだろ」
黛「まず宣伝してるところにツッコめよ」
月「次です。ZN・この木何の木気になる木さんの一言物申したいこと。『どら焼きってうまいよな』」
黛「あ、うん」
森「美味い、な?」
宮「おう」
月「なんかすいません…」
黛「次。ZN・サトリ眼鏡さんの一言物申したいこと。『なぁ、ゲストとして来てもええか?』」
森「絶対に来るなよ!」
宮「来たら、轢く」
黛「フリとかじゃねぇから」
月「オレ、この中で一番権限低いんで、その……すいません」
森「これでラストかな?ZN・モアラって言うな!さんの一言物申したいこと。『なぜワシはモテないんじゃ…!!』」
宮「何シンクロしてんだよ」
森「同志とシンクロして何が悪い!」
黛「…多分、同志ではないな(モテない理由ですれ違ってる気がするし)」
月「きっと素敵な恋人が出来ると思うので、頑張って下さい」
森「ほんとか?!」
宮「お前に言ってねぇよ!轢くぞ!」
森「いたっ!いった!!」
黛「出た、軽トラのミニカー」
月「あー…っと、これからも皆さんの一言物申したいことを随時募集していますのでふるってご応募下さい」
黛「CMの後もまだまだ続くぞ」
+++
「Aグループは世界一ィィィィイイイ」
「Aグループです」
「必ず君の糧になる」
「一期一会の出会い」
「人生は一度きりだから」
「予定にないことも起こるけど」
「後ろを見るな、前を見ろ」
「KJ高校」
+++
宮「ぶふっ!」
月「っふ…ふふっ」
森「あははっ!」
黛「…ぐっ……っ!」
宮「あー、やべーな。CM聞くとどうしても笑っちまうわ…」
黛「…何者かがオレ達の腹筋を、崩壊させようとしてる」
月「その役目を担っているのはオレな筈じゃ…!」
森「えっ」
月「えっ?」
宮「腹筋崩壊のことはややこしくなるからこの際置いといて、CM。CMをどうにかしようぜ」
森「しかしスポンサーが付いてる以上、CMはやらないといけないんだぞ」
黛「つまり、CMをやるって前提で話を進めなきゃいけない訳か」
月「CM明けにオレがダジャレを言うというのは?!」
宮「却下」
月「 」
森「ならば、オレの口説き文句なんてどうだ?」
黛「却下」
森「 」
宮「そうだ!なんか曲流すってのは?例えば、みゆみゆのソロパートとか」
森「却下」
宮「 」
黛「ラノベ朗読」
月「却下です」
黛「 」
森「…」
月「……」
宮「………」
黛「…………」
月「ハッ、沈黙したチンパンジー!キタコレ!」
宮「あ?」
月「すいません…」
黛「こっちで話まとまらねぇし、これ企画したやつが後はどうにかすんだろ」
森「丸投げだな」
宮「単にめんどくせーだけだろ」
黛「……」
月「図星ですね?」
黛「こんなところにメールガー」
宮「逃げた」
森「逃げたな」
月「じゃあラノベさん、メール紹介して下さい」
黛「ん、読むぞ。ZN・おは朝は神の信託さんから頂きました。あざーす」
森「あざーっす」
宮「あざっす」
月「ありがとうございます」
黛「『今日のかに座のラッキーアイテムである“ハシビロコウの置物”を探しています。どなたか持っていませんか?』」
月「ハシビロコウの置物とはまた…」
森「眼力すごそうだな」
宮「よし、軽トラァ!」
森「ミニカーしかないけどな」
黛「ちょっと待て、まだ続きある。あー…『どの骨董屋にもなかったので下僕に作らせました。お騒がせしてすいませんでした』だと。写真も付いてる」
【下僕が作ったらしい本物に限りなく近いハシビロコウの等身大置物の写真】
森「え、これ、えっ?」
黛「手作りらしい」
月「本物並の眼力ですね、すごい」
森「下僕ハイスペック過ぎない?!」
宮「つか毎回ラッキーアイテム探しのメール送ってくんじゃねーよ!轢くぞ!」
黛「愛車で轢いてる…」
森「ふへへっ」
月「あ、ああ、紙がぐしゃぐしゃに…」
【とりあえずパインを止めました】
月「今回二回目でしたけど、皆さんどうでしたか?」
森「CMで笑う」
宮「おは朝は神の信託さんのせいで手がいてー」
月「ダジャレですか?!」
宮「は?」
月「だって今、手がいてーって」
森「手がいてー…ああ、なるほど」
宮「ばっ!ちげーよ!」
月「いたたっ!軽トラで轢かないでくださっ…!」
黛「……お前らといるとほんと疲れる」
森「しょうがないさ。これも運命だったん、じゃない!何が悲しくて男相手に運命感じなきゃならんのだ…!運命感じるのは可愛い女の子だけで充分なんだよ!」
宮「お前が勝手に言い出したことだろうが!突くぞ!」
森「ついでとばかりにぐふっ!」
月「な、なんでラノベさんだけ無事なんですか…。解せないです」
黛「お前らと違って余計なこと言ってねーからだよ」
宮「いや言ってるだろ」
黛「は?」
宮「あ?」
森「……」
月「…………」
宮「………………」
黛「……………………」
月「サイレント、いれんと?」
宮「ネーターちょう…!」
月「あだ…!あだだ!」
森「ネタ帳、ダジャレ思い付いたら言わないと気が済まないんだろうな」
黛「最早反射に近いよな」
森「見事なアイアンクローだな」
黛「そうだな」
月「あいででぇ!」
森「可哀想だし止めるか」
黛「そうだな」
【パインを全力で止めました】
月「顔面割れるかと思いました…」
宮「自業自得だろ」
黛「…(他校の後輩にも容赦ないとかこいつマジこえー…)…」
宮「なんか言ったか?」
黛「いや何も」
森「と話もまとまったところで最後、ビシッとかっこよく決めるぞ」
月「ハッ……あ、……」
黛「ネタ帳がしょんぼりしながらお前のことチラ見してんぞ」
宮「あーもうっ!言いたきゃ言えよ!」
月「ありがとうございます!さっき思い付いたのは『ビシッと敷き詰められたマキビシ』なんですけど、どうですか?!」
森「ワァ、オモシロイナー」
月「!!」
宮「くそっ、くそっ…!」
森「なにあれめっちゃ嬉しそう」
黛「ネタ帳に勝てる気がしない…」
月「え?え??」
森「パイン、今回は終わろうか」
宮「おー。感想の他にも“残メンQ&Aのコーナー”への質問や悩み、オレ達への無茶ぶりや“一言物申し隊”へのメッセージも随時募集してる。全ての宛先はコメント欄まで」
森「特に可愛い女の子からのご応募、」
全『待ってまーす』
黛「という訳で、今回のお相手は」
宮「みゆみゆ命・パインと」
森「女の子命・運命厨と」
黛「二次元命・ラノベと」
月「ダジャレ命・ネタ帳でした」
全『次回も残念なラジオがやって来る?』
黛「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りしました」
\ラノベさんダジャレ思い付きました!/
\へえ…/
\雹が降って、うっひょう!/
\ああ、うん/
こうして四つのイラストが描かれた白い画面は黒い画面に切り替わり、停止した。
どうやら放送は終わったようだ。
そして、このハチャメチャラジオは次回もあるらしい。
続く...
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